2005年02月07日

皇国の機動要塞 マリアナ海域、浪高し!

経済界/2005年2月7日初版発行/857円/ISBN4-7667-3106-9


皇国の機動要塞(マリアナ海域、浪高し!)


委任統治領のガルダ島周辺は遭難が相次ぐ魔の海として恐れられていた。南洋庁より海洋調査を依頼された帝国海軍は、伊五一潜を派遣するが遭難してしまう。唯一の生き残りである水偵の搭乗員の証言と記録写真から、ガルダ島周辺の海底には天然ガスが存在することが判明。ここに人造石油基地を建設し、日本の石油の国内消費を合成石油でまかなうことになる。ただ、ガルダ島はグアム島からわずか300キロ。帝国海軍は従来の邀撃作戦が役に立たなくなり、戦略の見直しを迫られる……。

石油の国内消費を50〜100年は賄えるという資源が発見されて日米共に戦略の見直しが必要になるという斬新な設定の新シリーズが始まりました。よくもまあ、こういろいろとネタが出てきますよね。発想の柔軟さには尊敬してしまいます。物語は天然ガスが見つかってそれが合成石油にできるなんて簡単なものではありませんでした。発見された場所も問題ですが、工場の資材が国内で作れず輸入に頼なればならないと。工場建設の工期の第2期までで国内経済が大発展したために、日本はドイツとは同盟を結んでいない状態。石油プラント関連の資材ということで、輸入も困難なわけですが、ドイツに押されているイギリスがほぼ空母へ改装し終えた給油艦剣崎との現物交換で取引に応じてきます。亜細亜で動乱が起こると戦力が欧州に集中できないという理由と、軽空母を得るメリットを考慮して。その艦隊を某国が潜水艦で攻撃して世界情勢が大きく変わっていくという展開も面白いと感じました。戦闘はほとんどないけど、これは期待できそうなシリーズの予感大です。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 林譲治

2005年02月01日

異次元航空戦艦「ひのもと」3 大勝利!日本機動部隊

コスミック出版/2005年2月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1069-5


異次元航空戦艦「ひのもと」(3)


未来の兵器が次々と流入してくるおかしな世界が舞台のこのシリーズ。ガダルカナル島を保持し続けて未だ勢力が衰えない大日本帝国軍と、復讐戦だと気合いを入れている米海軍の決戦がソロモンで発生するというもの。双方共にそのまま生産できない未知の最新兵器を持っている状態で均衡しているのがポイント。数段性能の落ちる劣化した模造品を量産して投入していこうとするのは双方共に共通ですが……。

そんな感じでかなり目茶苦茶になっている世界が舞台のこの物語もいよいよ最終巻。おそらく打ち切りではないかと……。本書の、過去へ送られる「消失1」という章があるものの意味なし。その後登場せずだから。というか、「消失」自体がナンバーを振るならばシリーズを通しての連番か、全体での記述であるべきなわけで。本書のみで1回しか登場せず、通し番号でもないというのはかなり違和感あり。

前巻で次々と過去に送り込まれた兵器の数々は、そのまま本巻でもほとんど登場しません。伏線らしきものが多々あったのに全てを放り出しての強引な最終巻という印象が激しくマイナス面になっていますね。本巻だけをみても巻頭の地震はなんだったのかとか、原潜の消失は何のためだったのかとか不明な部分が多いんで、作家だけでなく、そんなのを出している「この出版社ってどうよ?」という感じ。それとも売れなくて打ち切りか!?
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 野島好夫

2004年12月30日

興国の盾 通商護衛機動艦隊 南海死闘編

学研/2004年12月30日第1刷/850円/ISBN4-05-402675-3


興国の楯(南海死闘編)


逓信省の通商護衛機動艦隊の活躍でソロモン方面の戦況に目処が立った日本。海軍はポートモレスビー攻略作戦を再興する。オーストラリアは建造の容易な魚雷艇を駆使して日本の補給線を絶とうとするが、陸軍の思惑でニューギニアには陸軍航空部隊が進出し、海軍と共に戦うようになる。

なんといっても連携が悪い陸海軍。共闘できるように通商護衛機動艦隊のほうでいろいろ画策するあたりや、補給量を減らすために前線に配備する漁船の新造計画が魚雷艇駆逐艇を兼ねてしまったりするところがなかなかユニークで面白いですね。視察した辻参謀の独断でキ61が空冷エンジンに変わってしまうあたりは爆笑ものでイイ感じ。ただ、派手な戦闘シーンはないので燃えるものを求める人には物足りないかもしれない。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 林譲治

2004年12月25日

空母艦隊血風録2

実業之日本社/2004年12月25日初版発行/848円/ISBN4-408-60305-8


空母艦隊血風録(2)


山口多聞に空母を沈め続けられている米海軍は、日本海軍の次期作戦を前に攻勢正面の判断に苦しんでいた。南雲中将率いる第一機動部隊の赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴がミッドウェーへ向かい、山口少将指揮の第二機動部隊は飛龍、祥鳳、龍驤、隼鷹で支作戦としてアリューシャン方面へ出撃する。ヤマグチを高く評価し、彼の艦隊こそ攻勢正面と判断した米海軍はアリューシャン方面へ空母艦隊を出すことになった。

基地航空隊から精鋭を引き抜いて搭乗員の補充をした日本海軍。ミッドウェーとアリューシャン方面で攻勢に出るものの、もうあとがなさそうです。搭乗員の練度に不安があるのは米海軍も同様のようだけど……。本書の見どころは、空母艦隊が激しくぶつかる後半部分でしょう。祥鳳、龍驤、隼鷹と失い、赤城、翔鶴、瑞鶴までもが沈んでいくシーンは衝撃的すぎてビビります。この先どうなるのかかなり不安です。

なんといいますか、架空戦記ではもう定番になってしまっている南雲提督の描かれ方がちょっとかわいそう……とか思ってしまったり。あれげに描かれることが多いけど、本当に無能なのは適材適所の人事ができなかった海軍組織なわけで。たまには南雲提督が水雷戦隊を率いて大活躍するようなものってないんでしょうかねぇ。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 吉田親司

2004年12月24日

大日本帝国欧州大戦 総統のいない戦場 上

銀河出版/2004年12月24日初版/857円/ISBN4-87777-066-6


大日本帝国欧州大戦(上)


共産主義者の策略で暗殺されたヒトラー総統というすごい設定。求心力を失ったナチス党は急速に衰えていく。最大のライバルを倒したスターリンはドイツの混乱の中、領土獲得のために侵略戦争を開始し、ポーランドへ侵攻する。共産主義者を倒すためにドイツと手を結ぼうとする英国と、アデェナウアー新首相の元で外交政策の転換を図るドイツの接近の影響は、世界情勢は大きく変化しようとしていた。

ドイツの政変で連合国側に近付いていくドイツと、それに引きずられていく日本という物語ですね。東プロイセンはソ連軍のポーランド侵攻で孤立するわけですが、スターリンの指令で越境して侵入。東プロイセンにはロンメル将軍指揮の装甲部隊と、大日本帝国が機甲戦術を学ぶために派遣していたSS義勇兵扱いの派遣軍があって奮戦するという話でした。とはいえ、世界がずいぶん違うから状況説明のほうにページが割かれていて(日独が登場する)戦闘描写はそれほど多くない印象を受けます。押されまくる連合軍がどうなるか下巻が気になるところです。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高貫布士

2004年12月07日

真・大日本帝国軍陸海統合の嵐 ハワイ強襲作戦

学研/2004年12月7日第1刷発行/850円/ISBN4-05-402643-5


真・大日本帝国軍陸海統合の嵐


日本海海戦でロシア海軍の撃滅に失敗した日本。陸海軍に分かれた縦割りの組織に問題があると陛下に責められ、統一の国防軍を再建設した日本という設定の架空戦記です。陸海空が前線司令部からの指令で臨機応変に対応できるというのが大きな違いか。軍縮条約も日露戦争でメッキがはがれたと諸外国に認識されている日本は、軍組織の再編に労力を割かれて建艦が遅れていたのも国力のためと思われてほとんど制限なし。再編が完了してからは40センチ砲搭載の高速戦艦三笠級や46センチ砲搭載の大和級を建造。そんなところで、日本を舐めたルーズベルトが日本へ圧力をかけてきます……。恫喝に対して日本は本格的な交渉を行なわず昭和16年8月に開戦。いきなりハワイ真珠湾を攻撃して攻略部隊を上陸させることに……。

日本海海戦の実質的敗北から始まっている本シリーズは、その設定ゆえに登場する兵器が当時のものと全然異なります。よって、まず最初に巻末の資料に目を通してから本編を読み始めたほうがよいでしょうね。表面的には痛み分けながら実質敗北だったという日露戦争の影響は、帝国統一軍がソ連の戦車を強く意識していて比較的強力な戦車を導入していて戦車戦でも善戦しちゃうあたりは資料を見ておかないと何がなんだかと混乱しそうです。

戦車隊の指揮官になっている村田や艦戦を率いている加藤など、結構クスリと笑える設定が人材面にもあって面白いかも。イメージを壊すな〜、という人以外にはですが。まあ、何はともあれ、米欄相手に開戦したというあたりが次巻以降に影響してくるのでしょう。英国とは敵対していないのがどう影響してくるのか見物です。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 羅門祐人

超空の魔剣 ザ・ビッグバトル

学研/2004年12月7日第1刷発行/850円/ISBN4-05-402442-4


超空の魔剣


AAと命名された謎の兵器群。それはどこからともなく日本へ出現する、新旧の武器。太古の昔の石斧からジェット機や原子爆弾、はては光線砲まで膨大な数が1つずつランダムに湧いてきていた。これらを研究する機関を陸海軍共同で設立し、技術の向上を図ることになる。圧倒的な超兵器ができてから巻き返せばよいと中国・仏印から撤退。日米開戦の危機を回避する。しかし、AAの存在の一部、ロケット技術がアメリカに漏れ、ハワイに日本を直接叩けるリバティ・ロケットを配備すると発表されたことで日本は追いつめられた。ハワイを制圧しロケットの脅威を取り除くため、昭和19年8月に陸海軍は大作戦を開始する。

超兵器に惑わされた日本海軍のちぐはぐな装備が泣けます。故障ばかりでいざというときに役に立たない対空誘導弾発射機や光線砲。同時代のP-51の技術を参考に改良された四式艦戦烈風や誘導魚雷が大活躍するのとは対照的です。ラストはかなり意表をつかれましたが、これは1巻完結ということみたいですね。電子戦艦信濃(どんなんだろ?)の活躍を見たかったんだけど残念。それにしても、精神力を力説する辻と神を相手に、実験と称して「精神力で弾を曲げられるのだろう?」的なことを言って拳銃で撃ってしまう早乙女博士には脱帽。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中岡潤一郎

2004年12月01日

龍神の艦隊2 激突!蒼海に吼える巨砲

コスミック出版/2004年12月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1061-X


龍神の艦隊(2)


恐竜人の技術で艦艇を合体させることで戦力を強化できるようになった海軍。マーシャル沖の大勝利に続いて、陸軍の強い要請でインド洋でイギリス海軍と戦うことになる。空軍と協力して肉薄に成功したキング・ジョージ五世以下の戦艦群は大和以下の帝国海軍と砲撃戦を展開する。

D装備と呼称される驚異的な技術で既存の艦艇を改良した帝国海軍は、電探の技術の後れを同盟国の恐竜帝国からの人材派遣で乗り切ってしまいます。野生の感みたいなものですね。探知距離は能力者にもよるが500キロ以上あったりする脅威の世界。むぅ、ここまで破天荒な設定はかつてあっただろうか。未知との遭遇。不可解な帝国海軍に対抗すべくマッド・サイエンティストを動員したアメリカも、指向性の生命抹殺砲「オルゴン・バスター」を開発。航空機だろうが艦艇だろうが人間だけ抹殺する恐るべき超兵器。次巻以降どうなってしまうのか。恐怖の展開ですね。

しかし謎なのは、インド洋での戦いの機動部隊艦載機。英空軍の攻撃を避けるために第一次攻撃隊は159ページで上空へ退避しています。そこへ英艦隊が殴り込みを掛けてくる展開で、空襲の回避中で反撃がままならないとなっているんですが、退避している攻撃隊は何故攻撃せぬのだ? いや、その後また174ページで発進しているし……。おかしな話ですね。せっかく楽しく読んでいたのに、なんかいきなり冷や水を浴びせられた感じ。校正をちゃんとしたのだろうか?
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中里融司

異次元航空戦艦「ひのもと」2激闘!日米ジェット戦隊

コスミック出版/2004年12月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1060-1


異次元航空戦艦「ひのもと」(2)


世界各地から神隠しのように消えていく最新兵器。それらが過去の太平洋戦争に影響を与えるという本シリーズ。技術格差がありすぎて補充のできない貴重な高性能機を両軍共に温存しながらガダルカナル島をめぐって戦いを繰り広げます。そしていよいよ決戦の時が来る。「ひのもと」に搭載された神風(F-15)はエセックスの艦載機デビルキャット(F/A-18)と戦闘に突入するのだった。

今回の表紙も「ひのもと」でごく普通の空母。なぜ航空戦艦なのか説明がほしいところなのにそれもなし……。なんだかなぁ。それにしても、コンセプトがよくわからなくなってきたシリーズ2巻目。護衛艦くらま、90式戦車、台湾空軍の経国戦闘機、B-52など次々と過去へ出現。こんなに大量に送り込むようになるのなら、舞台は21世紀でもいいんじゃないかという気がしてきますよね。まあ、それらが登場するのは次巻から。どのように話を持っていくのやら。おそらく駄作になりそうな予感が……。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 野島好夫

2004年11月25日

幻の超戦艦を追え!2

実業之日本社/2004年11月25日初版発行/848円/ISBN4-408-60296-5


幻の超戦艦を追え!(2)


ミッドウェー沖で遭遇した無人戦艦オーデンと大和。巨艦同士の戦いは大和の攻撃力がオーデンの防御能力を上回り、大きな損害を与えて撃退に成功。しかし、ミッドウェー作戦は中止せざるを得なくなる。日米共にオーデンを警戒する中でガダルカナル島をめぐって大規模な海戦が発生。そこへ見違えるように進化したオーデンが乱入。長門を失いつつも幸運にも大和がオーデンを撃破したかのように思えたが……。

大西洋でイギリス戦艦6隻、アメリカ戦艦2隻を撃沈し、霧島と榛名を撃沈している無敵戦艦オーデンがついに大和と対決します。40センチ砲までの防御しか考慮されていないオーデンは大けがをして逃げ出すところから始まるという、いきなり燃える展開に。誰も予想できないような自己修復能力でオーデンは次々と進化。潜水可能になってソロモン海に乱入するだけでなく、ついには超音速飛行までするのですから驚きです(笑)。最後は意外な結末が待ってたけど、結構楽しませてもらいました。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 田中光二