2007年12月04日

超戦艦艦隊 最強戦艦出撃!

経済界/2007年12月4日初版発行/895円/ISBN978-4-7667-3129-3




ハルノートへの対案で昭和16年末の開戦を回避すべく、大日本帝国は戦艦伊勢と日向をまず解体し、続いて扶桑と山城を解体することでアメリカの妥協を引き出した。
さらに建造中の大和を公開することで抑止力として時間を稼ぎ、いずれは避けられない戦いに備えて戦備を整えていく。
米海軍も大和級に対抗するのが難しいと踏んだアイオワ級戦艦をキャンセルし、モンタナ級の建造を急ぐことになる。
だが大和は密かにガスタービンを採用して34ノットの速力を発揮するよう設計が改められていた。
モンタナ級3隻が就役し、米海軍の準備が整ったとき、ついに日米は開戦するのだった……。


航空機の威力を信じる帝國海軍は高速戦艦として大和級を建造しているというのと、開戦が昭和19年となるのが特徴の本書。
開戦時には零戦とP47サンダーボルトという圧倒的不利な戦いでフィリピンで多くの戦闘機を失う衝撃的な展開があってドキドキもののスタートですなぁ〜。
タイトルから戦艦同士の戦いを期待する人も多いと思うんだけど、モンタナ級との戦いは水雷戦隊任せで大和級戦艦は空母を狙おうとするし、少なくとも1巻目である本巻では戦艦同士の戦いという面では期待を裏切られることだろう。

あとは本書では著者はミスが多くてがっかりさせられてしまった。
P77ではドイツとソ連の戦いを西部戦線とか書いているし。
P99でモンタナ級がいるかわからない以上は真珠湾攻撃は投機的とか黒島参謀に言わせておきながらP105では強硬に真珠湾攻撃の実行を主張させるとかいう矛盾。
九七陸攻とかいう記述もあるし、司令部方針が第一攻撃目標は空母と決まってすぐあとのページで攻撃目標は戦艦とか指示している鳥頭的いい加減さ。
うーむ、この著者って以前はここまでひどい作品を出していなかった気がするんだけど、どうしちゃったんだろう?
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 青山智樹

2007年11月10日

双胴空母「瑞翔」出撃す!2

実業之日本社/2007年11月10日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60465-7




ウェーク沖で活躍した機動部隊は、南方作戦とインド洋作戦に駆り出されてしまう。
満足に搭乗員の補充を受けられないことを知る塚原司令官は無理な攻撃はさせず、被害を抑えるために数で圧倒したり、地上攻撃には急降下爆撃を行なわないようにしたり工夫をしていた。
だが、積極的ではないと思われたことと、MO作戦で下級司令部に口を出しすぎて罷免されそうになる。
そんな中で名誉挽回の機会となるミッドウェー海戦に参加することになるのだった。


今回はこの著者にしては珍しい展開を見せてくれていたかな。
いつもなら被害を抑えながら戦い、活躍した司令官が敢闘精神不足で左遷させられてボロボロになってから戻ってくるパターンですが、本作はその前に機動部隊が戦うべき本命の相手である敵機動部隊と海戦を行なって勝利を収めているという展開。
ミッドウェーで飛龍を失い、翔鶴も大破して双胴形態を解除することになったものの、塚原は機動部隊の司令官のままガダルカナルの戦いへと進んでいく。
機動部隊同士の戦いもさることながら、奪回作戦に戦艦大和が参加しているなど、ずいぶん奮発したストーリーで結構楽しめた。
最小限の損害で広大な範囲を確保した帝国海軍がどこへ向かうのか次巻が非常に楽しみだ。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 大村芳弘

2007年10月02日

革命の機動艦隊 機動空母[赤城]出撃!!

学研/2007年10月2日第1刷/900円/ISBN978-4-05-403585-0




艦載機運用の問題で、三段空母の赤城と加賀の改装が検討されていたとき、全通一段式の空母への改装に疑問を持つ人がいた。
第一航空戦隊司令官の山本五十六である。
効率的な艦載機の運用を研究した山本五十六は、赤城と加賀を二段式空母へと改装することを各方面へ働きかけていく。
艦政本部との交渉で赤城だけ二段空母への改装が決まったのだが、それが開戦後大きな意味を持つことになったのだった。
発着艦を同時にこなせる特性を活かして、空母赤城は各地で大活躍をすることになる……。


三段式からの改装時に、三段目は封じて格納庫に、二段目は20cm砲を撤去して艦首まで延長して発進甲板に、一段目は着艦用にするということが行なわれていました。
要するに発進に最上甲板へ送らなくても二段目から発進できるから、発着艦を同時にこなしつつ戦えるというアングルドデッキの代用といったところ?
二層ある格納庫のうち上側はそのまま発進できるから、運用効率は改善されるというわけですね。
最上段は着艦と戦闘機用みたいな運用をするというもののようで。
発進時に機体をエレベータで最上段へ移動させなくてもいいわけだから、本書の前半で描かれているミッドウェイ作戦で赤城は活躍。
加賀が兵装転換に手間が掛かっている間に、兵装の再転換が終わった段階で蒼龍と飛龍の艦爆隊と共に赤城の艦攻隊が護衛付きで発進して活躍。
加賀以外は攻撃隊を出しているから、被弾時に沈むのは加賀だけという展開になるのであります。
とまあ、前半はなかなか面白い発想の作品で久々に楽しめました。

しかし、後半になると疑問の連続に……。
改装後の一段目と二段目の飛行甲板の長さの差がある部分を、リフト式にして一段目も艦首まで飛行甲板を延長することが可能になるという意味なしの改装が行なわれる。
それが重要だと説く著者の代弁者の山口多聞提督。
前半部分と本当に同じ著者なのかと心底不思議に思ってしまった。
改装時には着艦で説得しているが長さを見れば必要十分。
だいたい、三段式の状態でも190mあるから最上段からも発進は可能なわけで。
そもそも二段目を延長して二段式にしたなら、最上段もある程度延長するだろうから余裕で発艦可能だぜ〜。
リフト式にして最上段の飛行甲板を延長するような必要性なんかないんだよね。
なんか、こう無駄に革新的なものを取り入れたいみたいな感じで、本末転倒というか。
改装の結果で活躍させることが本来の目的だろうに、後半はさらに活躍させたくて改装することが目的になっていた感じだね。
まあ、後半は少々シラケて面白味が減ってしまったが、前半部分は楽しめたからこの著者の今後の精進に期待しておこう。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 原俊雄

2007年07月10日

双胴空母「瑞翔」出撃す!

実業之日本社/2007年7月10日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60441-1




建造中の空母「翔鶴」と「瑞鶴」を連結し、双胴空母にしようと画策する塚原二四三少将。
連結して艦の後部飛行甲板の幅を広げることで、着艦が楽になり空母搭乗員に必要とされる技量の引き下げを狙うのだった。
機動性の低下による防御力への疑問については、飛行甲板を3段式にして、上甲板を戦闘機、中甲板を爆撃機、下甲板を攻撃機用にして常時戦闘機を発進させられることで防ごうと狙う。
いざというときには分離して2隻に分かれられるような設計となった「瑞翔」は、開戦直後にハワイから米海軍主力を誘い出し撃滅する任務に就くことになるのだった。


いつもながら1巻目は面白そうな設定でついつい購入させられてしまった新シリーズです。
搭乗員の練度の問題を飛行甲板を広くすることで敷居を下げてくるという設定がユニークで面白いですよね。
問題はこの先のストーリー展開にもちゃんとオリジナリティがあるのかどうか。
またもやこの著者特有の型にはまった展開となってしまうのでしょうか?
ストーリー構成に自信がないのか、いつものように史実にあわせるかのような強引な展開で辻褄を合わせて史実の展開に近づけていってしまうわけで。
そのような展開が今回も待っているのか気になるところです。

まあ、塚原が一航艦、南雲が第十一航空艦隊を率いることになっているのは期待できそうだけどねぇ。
また今回もパターン化されているオチだといい加減ツラいかな〜。
撃墜された搭乗員の救出を重視していたり、部隊の練度が低下した場合のことを考慮した戦術の変更なんかは次巻以降の伏線だと思うので期待できそうなんですけど。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 大村芳弘

2007年07月03日

異 帝国太平洋戦争 特試101部隊爆撃!

学研/2007年7月3日第1刷発行/900円/ISBN978-4-05-403513-3




温泉仲間の5人は神飛ばしにあって昭和17年の世界へタイムスリップしてしまった。
工科大で応用物理学を専攻する科学者に医大生、ゲームクリエイターと歴史学者、レースカーの開発現場主任の5人は、それぞれの得意分野を活かして帝国陸海軍の技術力を向上させていくことになる。
対戦車ロケット砲、排気タービン、不燃タンク、有線誘導魚雷、ヘッジホッグなどが短期間に開発され、戦力化されていくのだった。


5人の中にゲームクリエイターがいるというのはなぜかと疑問に思っていたら、マニアックなシミュレーションゲームをひっさげて活躍していました。
海軍軍令部と陸軍参謀部にPCを貸しだして大規模作戦を短時間で効率的にシミュレートし、その結果で作戦計画が大きく変わっていくというのが実はキーポイントかもしれませんね。
エンジン出力の向上と不燃タンクで撃たれてもなかなか落ちなくなっている零戦と一式陸攻が活躍したぐらいで、あまり戦闘はなし。
もうちょっと戦闘のほうにもページを割いてほしいものです。
シリーズの導入部分として技術力向上とか戦略の見直しがメインになっているので仕方のない部分もあるんだけど……。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 羅門祐人

2007年06月05日

紅蓮の翼 戦闘攻撃機「爆風」誕生!

学研/2007年6月5日第1刷発行/900円/ISBN978-4-05-403495-2




空技廠は開発中の一三試艦爆が、DB601エンジンのライセンス交渉が頓挫したことから大混乱に陥っていた。
その隙に愛知航空機の設計陣は火星エンジンを搭載した一三試艦攻を売り込んだのだった。
やがてそれは高速で重装備な大型戦闘攻撃機「爆風」として採用され、数々の海戦で活躍することになる……。


本書は初期型でも最高速度573km/hと爆装最大1トンを誇る爆風の活躍を描いた4本の物語が収録されています。
第1話は開発の裏話と爆風の量産機が初めて作戦に参加したガダルカナルの戦いの回想録と終戦直前の一コマといったところ。
第2話は試作機が空母加賀に積まれてミッドウェー海戦で実戦試験に投入されるというもの。
量産機のために不具合の洗い出しをしている段階ですなぁ。
加賀から緊急発進した1機だけが飛龍へ降りて反撃に参加することになるわけで人間ドラマがあるんだが、それは読んでのお楽しみだとして。
むしろ意外な展開で幸運にも加賀が戦列に復帰してきての反撃というアツい物語となっていました。
P122に執筆時か校正時かわからないけど「だけでいい」が「だけ出でいい」となっていてがっくり。
第3話はガダルカナルにいる赤い塗装の裏切りものが乗った零戦を撃墜する任務を帯びた2人の話。
重戦闘機仕様に改造された爆風を駆って空戦していますが、今ひとつこの話はあまり興味が持てなかったかな〜。
P171に「現地部隊」であるべきところに「現時部隊」と明らかな変換ミスがあってまいったね。
第4話のほうは南太平洋海戦がテーマで、おそらく多くの架空戦記ファンが期待しているところの激闘が描かれている。
爆風も新型に換わっているし、なんといってもインパクトがあるのは一撃必殺の一六〇〇キロ爆弾の登場。
これを急降下で叩きつけるというのは爽快ですね〜。
困ったことにP191にはDTPオペレータのミスがあって、翔鶴の解説部分を加賀からコピペしたらしく、文字の訂正し忘れでそのままになっているから要目がメチャクチャです。

久々にこの著者のを買ってみたけど、以前よりもだいぶよくなっている気がする。
このまま向上心を忘れずに精進してほしいかな。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 内田弘樹

2007年04月10日

興国の楯 通商護衛機動艦隊 死闘!ソロモン大海戦

学研/2007年4月10日第1刷/900円/ISBN978-4-05-403411-2




ソロモン方面に進撃中の米艦隊。
だが、米艦隊の先遣艦隊は陸軍航空隊が通商さんから受け取っていた小型の航空魚雷で護衛艦艇が壊滅し、大破した空母と無傷の戦艦、そして輸送船2隻のみになっていた。
死に神に見放された佐竹・遠山コンビの彗星が空母エセックスにトドメを刺して撃沈。
さらに陸軍魚雷艇部隊が襲撃して戦艦ワシントンをも撃沈する。
一方、米艦隊本隊を発進した攻撃隊は連合艦隊の前衛部隊を奇襲して、戦艦部隊を直衞する鳳翔と龍驤に殺到して2隻を撃沈したのだった。
上空支援のなくなった前衛部隊を守るべく戦闘機を送る通商さんと、米艦隊本隊へ向けて攻撃隊を発進させる第三艦隊。
だが、どちらも米海軍が配備し始めたばかりの新鋭機F6Fの前に苦戦を強いられる……。


今回も通商さんが活躍していますね。
魚雷艇駆逐艇に魚雷を搭載できるように改造して魚雷艇にしちゃうとか、型破りな陸軍工兵隊の指揮官には驚かされます。
まぁ、ギャグみたいなやり取りの会話はもはやこのシリーズの作品ではお約束か。
連合艦隊のほうはというと、空母が被弾炎上したらミッドウェーの悪夢が頭に浮かび、空母の乗組員が弱気になっているというトラウマが痛いですねぇ。
次巻以降でとんでもないことでも起こる伏線なのだろうか?

それにしても今回初めて通商さんと連合艦隊が連携していたのが驚き。ちょこっとだけど。
最後までそういうのがない作品だと思い込んでいたからねぇ。
山本長官に諭された連合艦隊首脳部が次巻からどう行動するのかが気になるところ。
F6Fの登場といい、次の戦場はどこになるのかわからないけど熱いストーリー展開が期待できそうです。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 林譲治

2007年02月10日

帝國海軍鬼道艦隊

実業之日本社/2007年2月10日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60415-2




戦艦の弾着観測を確実に行なうため、帝國海軍は弾着観測専門の観測艦を建造することになった。
観測艦雲龍級は戦闘機と観測機のみを搭載し、商船構造で安価に建造された。
危険な爆弾庫や魚雷庫はなく、間接防御で被害を抑えるという発想で設計されていた。
中国軍との戦いに向かった雲龍は被弾し、海軍艦艇の脆弱性という問題を突きつけられ、防火対策といった改善を進めていくことになる。
その後、空母運用のあり方の研究が進み、制空権を確保できれば観測艦がなくてもよいと判断され、雲龍級は爆弾庫を増設して軽空母へと生まれ変わった。
そして緊迫する日米の状況下に、ウェーク島近海で米海軍を挑発する任務を受けて雲龍と天城を主力とする小規模な艦隊が出撃する。


弾着観測を専門に行なう観測艦という名目の空母という設定がユニーク。
どのように活躍するのか期待して読み進めていったら、残念ながら開戦時には空母になっちゃっていましたが(笑)。
机上演習で空母の運用を研究していたり、空地分離の研究も行なわれていたりいるので、次巻以降の展開はちょっと期待できそうな感じですね。
強襲偵察を行なえるよう15cm砲を搭載した雲龍と天城がニュートン少将の率いる空母レキシントンを中心とした艦隊と砲戦を開始するところが本書のクライマックスだけど、それまでは次巻以降への伏線となるであろう地味な話が多いのが好みの分かれそうなところかな。

気になる部分としてはいろいろあった。
本文中では「ウェーク島」となっているのに裏表紙では「ウェーキ島」となっているとか、中国軍相手に艦砲射撃をする戦艦伊勢の挿し絵が航空戦艦となっているとか。
挿し絵の問題は編集者の発注ミスだろうけど、ストーリー中で伊勢にする必然性がないので別の戦艦にしておけばこういうミスは発生しないような気もする。
P70では「観測艦雲龍は直接防御に力を入れた設計になっている」と記述されていて戸惑った。
実際には逆で「間接防御」と記述されていなければならない部分だけにね。
P187では「空母ポートランド」なんて艦種の取り違えもあるし、もうちょっと校正をしっかりやってほしいなぁ〜。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 林譲治

2007年02月05日

教範遊撃隊血風録4 蒼海の死闘!

経済界/2007年2月5日初版発行/857円/ISBN978-4-7667-3120-0




ガダルカナル島へ上陸した米海兵隊を罠にかけ、補給を絶ち宣伝戦の材料にすべく工作を開始した教範遊撃隊。
島へ運び込まれたわずかな数の水上戦闘機によって作戦の修正が必要になったが、潜水艦と小規模な艦隊での完全な封鎖は上陸した海兵隊の食料事情は危機的な状況に陥らせた。
飢餓状態になったところへ人道的な見地からという名目で100トン近いパンを投下し、写真雑誌FRONTによって米国に揺さぶりをかけようとしていたのだった。
宣伝戦で後手にまわった結果、米海軍はガダルカナル島から海兵隊を撤退させるための艦隊を派遣する。



魚雷艇などを使って補給を続ける米海軍を潜水艦や艦載機で阻止していく地味な戦いが多い感じでしょうか。
水上戦闘機が活躍するガダルカナル島の戦いもそうですが、小規模な部隊同士で派手さはありませんね。
中盤からは宣伝戦のための布石だし、意外にまったりした感じで物語が展開している。
救援に向かう防空巡洋艦アトランタと軽巡ヘレナは、金剛を主力とする艦隊に割とあっけなくやられてしまうし、戦闘はあっさり気味。
空母ワスプと戦艦ワシントンを中核とした艦隊で撤退を成功させようとする作戦もあるけれど、最終章になってからなのでボリュームはない。
なにぶん最終章は宣伝戦の総仕上げとなる作戦も一緒に扱われているので、どちらもやや中途半端さを感じてしまう。
宣伝の切り札は空母瑞鶴の航空隊が西海岸へ雑誌FRONTを投下するというもので、そう来たかと意外な展開と感じたかな。
救援艦隊のほうはあっけなく機雷原で全滅するし、「なんだこの展開?」と驚いたね〜。
最終章に詰め込みすぎなことを考えると、もうちょっと作品の構想が長かったのに急遽これが最終巻となって慌ててて辻褄を合わせたようにも思える。
このため、ちょっと惜しいシリーズ作品になってしまったという印象だ。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 林譲治

2007年01月07日

韋駄天艦隊3

実業之日本社/2007年1月7日初版発行/857円/ISBN4-408-60409-7




最新鋭の蔵王級巡洋戦艦を3隻喪失し、優勢な状態からいきなり不利な現実を突きつけられた帝國海軍。
小沢提督率いる主力部隊はアウトレンジ戦法で一方的に敵を叩こうと画策するが、米海軍が最新鋭の巡洋戦艦を投入してきて計画は頓挫。
マキンとタラワを喪失する失態をみせてしまった。
小沢提督を更迭するよう意見が出る中、山本五十六長官は現状維持のまま組織の運用を進めるのだが……。
マーシャル防衛戦では航空艦隊の攻撃で敵艦隊に多大なダメージを与えたのに追撃をしない小沢提督に失望していた連合艦隊司令部。
米軍の再攻時には敵が艦載機をすべて最新鋭戦闘機にして全力で迎撃してきたために艦載機が壊滅して、作戦が崩壊し敗退してしまうのだった。
追い詰められた日本帝國海軍はフィリピン防衛に全力をあげようとするのだが……。

前巻まででそこそこのページ数を割いていた近接戦闘のライオン戦法は登場しないで物語の終結へと向かってしまう。
伏線でもなんでもないものにあんなにページを割いていたのかと思うと、著者のストーリー構成力にかなり疑問を感じてしまった。
アウトレンジで敗退して中部太平洋を奪われるという展開は、巡洋戦艦と機動部隊を置き換えればマリアナ海戦そのもので、いつものことながら当たり外れが大きくて、外れた場合にはホントこの作家にはオリジナリティが感じられないと思う。
まさに前巻を読んだときの予想通りで、「やっぱりこういう展開か〜」と脱力感を感じてしまったね。
それにしても校正がずさん。
P156なんか「第一艦隊はも古村参謀長と……」とかなっていてすでに日本語じゃないし。
斜陽ジャンルだからといって手抜きするなよ!>編集者
最後は沖縄特攻と、これまた予想通りのストーリー展開で半ばあきれてしまうわけですが。
前巻の書評同様、この作家の過去作品を読んだことがないならば、本書も平均と比べれば面白いほうだからいいと思う。
作品のストーリー展開がパターン化しているのは今後改善されるんですかねぇ。
さすがにもうそろそろ購入意欲が尽きかけています。
orz
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 大村芳弘