2003年07月01日

時空大戦2 漂流自衛隊 マリアナ大海空戦

コスミック出版/2003年7月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-0903-4



タイムスリップで北海道の自衛隊が1945年に送り込まれたという設定の「時空大戦」シリーズ第2巻。
弾薬の補給はどうなっているんだというのを考えてはいけない無茶なストーリー展開となるのは前巻同様で、ノリと勢いだけで進んでいく。
前巻同様、12機といっていたF15が40機に増えるという謎展開も継承している……。
というか、なんで同じミスをまた繰り返しているんだ?
教訓を生かせないのか、この著者は……。
それとも、そもそも執筆した作品を読み返して自己反省をするということをしていないのか?
していないなら向上心のないダメダメな作家なわけですがね。

この2巻目では唐突に北海道が怪しいとかなって、潜水艦で諜報員を送り込むとかいう展開になっているんだが、そのシーンがダメすぎ。
海上自衛隊の護衛艦がそばにいるのに、(現代にとっては)爆音の潜水艦を探知できないでスルーしているとかおかしすぎ。
そもそも、なぜ北海道が怪しいと確信したのかも著者の思い込みで進んでいてシラケてしまうわけだが……。
憶測や希望的観測で帝國陸海軍は動くかもしれないが、ロジックがシビアな連合軍では根拠もないのに思い込みで作品中の規模の派遣なんてありえないぜ?

まあ、ストーリー作りは大失敗しているのは間違いないが、本書のクライマックスは原爆搭載のエノラ・ゲイ出撃というシーンか。
グアムから地下トンネルでテニアンと繋がっているとか、密かに作られた地下飛行場から発進とか……すごすぎ。
その想像力は、ちゃんと勉強してから別のところに活かしてほしかったな〜。
前巻から節約もせずにミサイル使いまくりとか、突然数が増える自衛隊機とか、補給をまったく考えていないイケイケな話なので、著者の妄想について行くのはなかなか大変だ(笑)。
ソ連が満州より先に北海道を攻めてくるとか(得られる資源や沖縄とマリアナを奪還した日本の残存海軍力などを考えれば北海道侵攻はあり得ない)、おかしなストーリーのオンパレードだった。
ご都合主義があまり気にならない人には楽しめるかもしれないけどねぇ。
本書の場合はご都合主義どころじゃないぐらい飛び抜けているというのがちょっと……。
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2003年04月01日

時空大戦1 漂流自衛隊1945・沖縄

コスミック出版/2003年4月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-0903-4




2004年の4月に北海道は強烈な磁気嵐と共に時空を超えて1945年へとタイムスリップしてしまう。
突如として戦乱に巻き込まれた北海道とそこを根拠地とする自衛隊は、時代は異なるとはいえ同胞を守るために戦うことを決意するのであった。

というわけで、タイムスリップで自衛隊が大東亜戦争に参加しちゃうというありがちな話ですね。
最新鋭の航空機や艦艇を使って介入していく圧倒的技術差は、イケイケ的なノリを求める人にはよいと思うが、そうじゃない人には微妙。
「そんなんで補給ができるわけないじゃないか」とかイロイロ突っ込みどころが満載だが、一応補給面も考えているのは妄想戦記としてはマシなのかもしれない。

すでに絶版となっていて2巻をまとめた文庫本のみが取り扱われているようだ。
初版本しか持っていないため文庫本はわからないが、初版本はかなりひどい出来だった。
P24では「二〇〇三年の今」といっているのに、P28では「今は二〇〇四年のはずだ」とかいう矛盾。
どう考えても著者がテキトーに書いてます。
F15が12機で出撃とさんざん書かれたあとで、P62では40機に激増しているとゆ〜表記があり、この作家やる気ね〜って感じがヒシヒシと伝わってくるのであります。
P75では戦争の終結を「集結」なんて記載しているし、編集者もやる気なしという最悪パターンだ。
いや、それはまだ最悪ではなかったな〜。
この作家の仕事のやる気のなさはP150で強烈なインパクトと共に登場する。
なんと、1945年なのに「この年の6月(2カ月後に起こるかのような記述)」なんて解説と共に、1944年のマリアナの七面鳥狩りネタが登場。
「まだ2カ月ほど早くなるが、七面鳥狩りのお返しと行こうじゃないか」とかマヌケな会話が登場するのである。
…………、この著者は史実も調べる気がないのかよ(笑)。
P164-165では沖縄戦の時期なのにハルゼーがまだ皮膚病の病み上がり直後という記述になっていて、あまりのひどさに返品したくなった人も多いんじゃないかと思われる作品だ。
いや、本書を作品なんていったら他ジャンルのほかの作家にかなり失礼かもしれない。
そんな出来の書である。

いや、まだ終わりじゃないんだ。駄目すぎなのは終わってほしかったんだけどさ〜。
もう何があっても驚かないと思っていたのに、終盤のP169にあった「グラマンF8Fヘルキャット」ってのを見て地雷を踏んだかのように吹き飛ばされたぜ〜。
ひと言いうなれば、この作家はロクに調べもせずにテキトーなことを妄想して書き連ねているだけだから今後の作品も期待してはいけないってことだ。
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1997年02月03日

超太平洋戦史(2) 成層圏爆撃機「富嶽」

コスミックインターナショナル/1997年2月3日初版発行/780円/ISBN4-88532-507-2



西海岸に上陸して米本土での本格的な戦いがテーマとなる本巻。
まだ昭和17年という段階でのめちゃくちゃなストーリー展開に驚かされる内容だったりします。
信濃型の超大型空母を8隻建造……。
空母不足になっていない段階で信濃を戦艦から空母への改装なんてのは海軍内で通るわけがない上に、そもそも日本にはそんな巨艦を建造できるところがないよ(笑)。
東海岸にはドイツ軍が殺到してくる展開が待ち受けているが、著者はまったく不勉強で、新造戦艦「ビスマルク」はまだ沈んでいないで登場しているし、同型艦「ティルピッツ」を巡洋戦艦と勘違いしている酷さ。
相変わらず戦艦の砲戦に空母が巻き込まれるという双方ともに無能な指揮官が艦隊を率いていてシラケさせられるあたり素晴らしいね。
日本語になっていない「対空砲火に日の丸が見える」とか……もうねぇ……。
船団を戦団とか書いているし、100隻を超える大規模な輸送船団が20ノット出しているという記述に至っては目眩がするするばかりなり。
富嶽を迎撃してきた戦闘機P38が同じページでP51に変わってたりするあたり、校正もロクにしていないんじゃなかろうか。
全体を通してご都合主義でイケイケ的なストーリーだが、昭和17年夏にもう原子爆弾が完成していて友軍ドイツが大損害を被るなど思いつきでテキトーに書いてみましたという駄作。
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1996年12月17日

超太平洋戦史(1) サンフランシスコ占領!

コスミックインターナショナル/1996年12月17日初版発行/757円/ISBN4-88532-504-8



昭和16年12月に大日本帝國が全力で攻勢に出るという勢いのある架空戦記だ。
開戦劈頭にハワイへ攻撃を掛けるのは同じながら、大和・武蔵の2戦艦と空母に改装した信濃がサンフランシスコを急襲するという展開が待ち受けている。
どう考えても信濃は無理だろうとかいうツッコミはするだけ無駄で、伊400型も最初から登場するぶっ飛び具合。
ハワイを占領してそこを中継点に西海岸へ殺到していくというのが基本的なストーリーとなっていた。

まったく知識のない著者は、P40で「逆探するのだ」と敵の無電で位置を探知とかあり得ない展開を用意する。
致命的なのは本書全編を通じて、有視界内に入ってから空母が艦載機を飛ばして攻撃するから戦艦にダメージを喰らうとか笑えない冗談としか思えない戦いが繰り広げられる。
わけのわからない3.8万トンのシザリオンなんて空母が米海軍に唐突に登場してくるし、太平洋には空母は2隻しか残っていないとかいった次のページでは3隻目の名前が出ていたり、プロットも全然作っていないいい加減さ。
二式飛行艇が飛行場へ着陸しようとするし、シアトル攻略はアッツとキスカから支援可能とかわけわからん。
B25を一部ページでB52と記述していたり、かなりイカレた架空戦記だ。

読んでいてシラケるのは時系列の無茶苦茶さだろう。
大西洋から喜望峰まわりで派遣してきた米空母より、ハワイから西海岸への進撃が後手にまわるとか、ハワイ攻撃後ミッドウェーを攻撃してハワイの上陸支援があり得ないような短時間で進んでいるのが著者のいい加減さを物語っている。
お粗末な妄想を基点にテキトーに勢いで書いてみました的な駄作。
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