2006年02月01日

決戦空母「桶狭間」3 沖縄防衛最終決戦

コスミック出版/2006年2月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1093-8


決戦空母「桶狭間」(3)


レイテ沖の戦いでかろうじて勝利をつかんだ帝国海軍は、海戦直後に大型台風の直撃で大きな損害を出してしまう。
雲龍、天城が横転転覆、龍驤を座礁で戦力から喪失するなど、空母戦力が激減したのだった。
米海軍も台風で多大な被害を出したものの、工業力の差からして不利なのはどう見ても日本海軍側であった。
両海軍はしばらく作戦行動をできなくなるほど打撃を受けていたが、戦争は昭和20年元旦のソ連の満州侵攻で新たな局面を迎える。
戦場はいよいよ那覇ドックのある沖縄へと迫ろうとしているのだった。

前巻の最後のほうで、台風のために被害が増えそうだとは思っていましたが、雲龍と天城が沈むとは意表を突かれました。
台風で沈めてしまうぐらいなら、奮戦して華々しく散るような演出のほうがウケがよいだろうにもったいない。
というか、そんな強烈な台風だったら砲撃にも影響が出るだろうし、機体の軽い日本機は戦闘機動なんか困難なんじゃなかろうか……。
台湾が次の台風で航空隊が出撃不能という記述も中盤で出てくるし、作中で統一性のない設定矛盾が気になります。

まあ、そのあたりを除けばなかなかに面白いですね。
前巻のフィリピンにおける戦いで失った米陸軍の代わりに登場するのがソ連軍部隊。
満州から朝鮮半島まで怒濤の勢いで押し寄せてくるばかりか、米海軍に輸送されてなんと沖縄に上陸です。
この斬新なストーリー展開には驚かされました。
沖縄を守る海軍の沖縄根拠地隊を率いるのは栗田中将というのもびっくりですね〜。
連合艦隊最後の出撃となる大和、武蔵、信濃と関ヶ原、桶狭間、長篠が沖縄に突入するシーンがクライマックスかもしれず。
1巻で脱落したと思っていた南雲さんが活躍しているのも驚愕の展開で個人的なツボを突かれましたです。
なかなかにアツいシリーズでした。
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2005年08月01日

決戦空母「桶狭間」2 フィリッピン沖攻防戦

コスミック出版/2005年8月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1081-4


決戦空母「桶狭間」(2)


お互いに大損害を出したパラオ沖の海戦。余力のある米軍は上陸を成功させ戦線を一歩推し進めていた。次なる戦場はフィリピン。全滅覚悟で死守しようと陸海軍は協力して立ち向かう。

西村艦隊、第一遊撃部隊とも護衛の空母を持ってレイテ湾へ殴り込みをかけているため、大きな被害が出ていない砲戦部隊が実質主役かな。大和級の前に立ちふさがる輸送船団護衛の旧式戦艦部隊から、駆けつけるアイオワ級との戦いは燃えてきますね。それにしても、本来主役となるべき桶狭間があまり活躍しているように見えないのが残念な気がする。

意外性では関ヶ原と瑞鶴の機動部隊とは別に、隠し球の信濃、雲龍、天城を運用しようとするあたりが面白い。そこまでよく航空戦力を回復できたよなぁ……と思うものの、関ヶ原の母体があれだから天城は出てくるべくして出てきたということかも。もしや最終巻で一暴れしてくれるのか!?
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2005年04月10日

空母艦隊血風録3

実業之日本社/2005年4月10日初版発行/848円/ISBN4-408-60315-5


空母艦隊血風録(3)


両軍とも多くの損害を出した戦いから戦線が膠着して1年。アリューシャンで日米両軍の戦艦部隊が激突。霧の中で始まった砲撃戦で双方の戦艦は壊滅的な打撃を受けるという結果を迎える。そのため残された戦力は再建されたばかりの空母部隊となった。ニュージーランドの連合国離脱の動きのある中、南太平洋で山口多聞とハルゼーの最終決戦が始まろうとしていた。

シリーズ最終巻となる本巻。連合艦隊旗艦の武蔵と太平洋艦隊旗艦のアイオワが最前線で戦うことになる混戦のアリューシャン沖海戦は前座。あくまでもメインは山口多聞とハルゼーの戦いなのでした。前巻での空母大量喪失をどうカバーしているのかと思ったら、伊勢と日向を空母に改装するという意外と強引な展開。あり得ないような部隊展開から始まる海戦の結末はもっと強引で、2人が殴り合いをするという爆笑もののシーンがあるんですよね。ウケました。それにしても、ラジオでヤマグチへ果たし状を突きつけるハルゼーの行動がイイ。
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2005年03月01日

決戦空母「桶狭間」1 マリアナ陽動作戦

コスミック出版/2005年3月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1068-7


決戦空母「桶狭間」(1)


不毛なガダルカナルから日米両軍が撤退したこの世界では、山本長官の指揮でミッドウェーからの撤収作戦が行なわれようとしていた。暗号が漏れていると危惧する長官と、メンツからそのようなことはありえないと主張する軍令部の対立する中、長官がミッドウェー島を視察。そこで仕掛けた罠で決戦海面をパラオに誘導した帝国海軍だが……。

書名が途中から変わるのはあまり歓迎できませんが、装甲空母「関ヶ原」シリーズの続刊です。書名が変わると見つけにくくなり、認知度も低下するし。新作優先の人にはタイトル変更は目につくのかもしれませんが、本書が著者自らのBLOGで著書紹介を『決戦空母「関ヶ原」』と混ざった誤った書名で3カ月以上公開されていたわけで、読者へのアピールという面でマイナスが目立つような気がします。コアなファンは気付くだろうから書名が変わっても大丈夫だろうけどねぇ。

それはともかくとして、ミッドウェーからの撤退が本書のメインとなっています。撤退に伴い、山本長官が仕掛けた罠が発動するまでという感じ。パラオでの戦いが始まったところで終わっていて、早く続きを出してくれ状態だったり。それにしても、対潜哨戒機東海が登場するのが渋いですねぇ。でもでも、活躍するのかと思いきや、嵐に遭遇して墜落してしまうし。罠を完全なものにするという意味では活躍したのかも?
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2004年12月25日

空母艦隊血風録2

実業之日本社/2004年12月25日初版発行/848円/ISBN4-408-60305-8


空母艦隊血風録(2)


山口多聞に空母を沈め続けられている米海軍は、日本海軍の次期作戦を前に攻勢正面の判断に苦しんでいた。南雲中将率いる第一機動部隊の赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴がミッドウェーへ向かい、山口少将指揮の第二機動部隊は飛龍、祥鳳、龍驤、隼鷹で支作戦としてアリューシャン方面へ出撃する。ヤマグチを高く評価し、彼の艦隊こそ攻勢正面と判断した米海軍はアリューシャン方面へ空母艦隊を出すことになった。

基地航空隊から精鋭を引き抜いて搭乗員の補充をした日本海軍。ミッドウェーとアリューシャン方面で攻勢に出るものの、もうあとがなさそうです。搭乗員の練度に不安があるのは米海軍も同様のようだけど……。本書の見どころは、空母艦隊が激しくぶつかる後半部分でしょう。祥鳳、龍驤、隼鷹と失い、赤城、翔鶴、瑞鶴までもが沈んでいくシーンは衝撃的すぎてビビります。この先どうなるのかかなり不安です。

なんといいますか、架空戦記ではもう定番になってしまっている南雲提督の描かれ方がちょっとかわいそう……とか思ってしまったり。あれげに描かれることが多いけど、本当に無能なのは適材適所の人事ができなかった海軍組織なわけで。たまには南雲提督が水雷戦隊を率いて大活躍するようなものってないんでしょうかねぇ。
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2004年11月19日

血闘絶対国防圏 上 〜邀撃の巻〜

銀河出版/2004年11月19日初版/857円/ISBN4-87777-064-X


血闘絶対国防圏(上(邀撃の巻))


昭和18年、木星が太陽と化し、夜がほとんどなくなった世界が舞台。それにしても夜がなくなるというのは恐ろしいですね。戦わねばならない時間が増大しているわけで。天変地異を口実にラバウルを放棄してマリアナを決戦場と決めた連合艦隊。それに対して大統領の急死で作戦が前倒しになった米軍は1943年12月にマリアナに来寇。戦闘機のみで防空に徹する南雲提督率いる一航艦は大きな戦果を上げるが基地機能は喪失してしまう。地上戦は自走砲ホルの活躍で防衛線をかろうじて維持している陸軍。そんな状況でサイパン近海の制海権を掛けて機動部隊同士が激突。さらに前衛艦隊の大和以下5隻の戦艦群と米戦艦群の間で砲戦が発生する。

巫女の回想部分の書体がたぶん新正楷書CBSK1なんですが、この級数では読みづらい。やっぱり見出し用の書体なんだなぁ……などと、全然内容に関係ない感想を持ってしまいました。いやぁ、現実を見ないとダメか。船主の伯爵のほかはメイドばかりという仮想巡洋艦ワルキューレが登場しています。最大の武器は460センチの反射望遠鏡? 装備しているポンポン砲で航空機を撃墜したぐらい。うーん、妙な船をわざわざ出したのだから下巻で活躍するんでしょうかね。しかし、メイドたちが砲を操作するシーンは想像が困難だなぁ。銃はまほろさんの姿が浮かぶけど、砲の操作はちょっとイメージが浮かびませんねぇ。

見どころはやっぱり主力艦同士の戦いかな。ホルは活躍しているとはいっても、登場してすぐにいきなり半減してなんとも微妙……。それにしても、最後すごいことになっているんだけど、どうなっちゃうのか下巻が気になるところです。
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2004年10月01日

装甲空母「関ヶ原」3 ガダルカナル大炎上!

コスミック出版/2004年10月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1053-9


装甲空母「関ケ原」(3)


ミッドウェー海戦で双方ともに大損害を受けた本シリーズ。血戦の舞台はガダルカナルへと移りました。周辺海域でともに望まぬ消耗を繰り広げ、たまたま双方が同時に撤収を考えて激突。ついに関ヶ原はアングルド・デッキが崩落するほどの大破を被ります(艦の重心が大きく狂いそうなのだが大丈夫なんだろうか?)。そうなっても普通の空母としての戦闘力が残るがために酷使される関ヶ原。ドイツの客船「シャルンホルスト」を那覇ドックが買い受けて改装した決戦空母「桶狭間」も前線に登場。その活躍で大消耗戦となる前に撤収に成功します。押されているものの、まだ健闘している感じですね。

それにしても、空母が不足してきている本巻でも関ヶ原には航空隊が定数揃っていないという悲惨な現実。何巻まで続くのかはわかりませんが、関ヶ原は一度ぐらいは定数いっぱいの艦載機を載せて活躍できるんでしょうかねぇ。あと、桶狭間の代金ってあまりにもご無体な……(笑)。小沢さん、それはちょっと……。轟木社長も、そこは商売人ならば妥協しちゃいかんでしょう?
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2004年08月25日

空母艦隊血風録

実業之日本社/2004年8月25日初版発行/848円/ISBN4-408-60284-1


空母艦隊血風録


ウェーク島攻略を支援する山口少将率いる第二航空戦隊と救援に駆けつけたハルゼー中将率いるエンタープライズが激突。エンタープライズを撃沈したものの飛龍が大破。インド洋作戦には参加できなくなってしまう。飛龍が復帰すると第二航空戦隊はポートモレスビー攻略のため珊瑚海に出撃した。戦力の集中が認められ、第五戦隊の重巡と祥鳳を加えただけでなく、ウェーク島沖海戦の戦訓から輪形陣を真似る。一方、ヨークタウンとレキシントンからなる第十七任務部隊はハルゼーが指揮を執っていた。

山口対ハルゼーがテーマになっている本巻。早くも空母同士の戦いが2度も発生し、第二航空戦隊は搭乗員を大量喪失。特に珊瑚海では、ハルゼーがレーダーを活用して全戦闘機と艦上爆撃機で迎撃戦を行なったために壊滅的打撃を受けてしまいます。しかも、防空戦闘中に敵潜の雷撃で蒼龍が沈められるという展開で、2巻を待たずして恐ろしいことに……。おそらく次巻ではミッドウェーなんでしょうが、どのように話が進むのかが気になります。1巻の内容を忘れないうちに2巻が出ることを祈るのみ。
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2004年07月01日

装甲空母「関ヶ原」2

コスミック出版/2004年7月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1043-1


装甲空母「関ケ原」(2)


「関ヶ原」の参戦で真珠湾の港湾機能をズタズタにしたものの、史実通りドーリットル隊の帝都空襲が行なわれ、ミッドウェイの攻略が目標にされ始めた日本海軍。ただし、空襲部隊を発艦させたハルゼィ機動部隊は、択捉島で待機中の「関ヶ原」の航空隊の襲撃を受けて母艦ホーネットと航空隊に多大な損害を出した。「関ヶ原」も損害を受けるも装甲空母の面目躍如。すばやく戦線に復帰します。

しかし、大西洋からワスプを呼び寄せ必至の米軍と、油断はしていないものの山口多聞の過酷な指揮による戦果も多いが被害も大きい戦闘で弱体化し始めつつある機動部隊。機動部隊同士の戦いは勝利するものの、油断から母艦の大量喪失という大失点ともいうべき致命的ミスをする日本海軍。2巻目から早くも先行きに不安を感じさせてくれます。空母の護衛方法という問題点が明らかになったこの海戦。次巻以降で両軍がどのような対策を取るのかが不明なまま話が進んでいくようです。帝国側の敗北濃厚な展開になりそうですね。
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2004年04月01日

装甲空母「関ヶ原」1

コスミック出版/2004年4月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1033-4


装甲空母「関ケ原」(1)


日米開戦が不可避となったとき、突如として民間企業「那覇ドック」社長から売り込みのあった装甲空母「関ヶ原」。社長の不思議な体験で未来の知識を得ていた同社は、メタ情報からアングルド・デッキで30ミリの装甲飛行甲板を装備した装甲空母を建造していたのだった。

真珠湾攻撃から7隻目の空母として参加する「関ヶ原」。山口多聞少将率いる機動部隊は大戦果を上げるが、ハルゼィ率いる敵機動部隊の攻撃を受ける。アングルド・デッキという目立つ外見の「関ヶ原」に攻撃は集中し、機関に損害を受けてしまう。母艦戦では敵を押さえ込んだものの、重巡と駆逐艦からなる護衛艦艇で突撃してきた米軍。油断から奇襲を許した日本軍も慌てて迎撃。高速戦艦比叡を失いつつも撃退……。

そう、いきなり開戦初頭から戦艦を喪失してしまった日本海軍。「関ヶ原」参戦で母艦数は増えても、航空機と搭乗員の不足で旧式機主体であまり戦力となっていませんでした。第1巻では「関ヶ原」は被害担当艦となりつつも、持ち前の打たれ強さで切り抜けます。しかし、護衛艦艇には疫病神となっているわけです。開戦直後に貴重な高速戦艦を失う日本海軍。「関ヶ原」が参戦したことで戦局にどのような影響を与えるのでしょうか?

非常に気になるところですが以下次号、という展開です。気になるのは装甲空母という割に、急降下爆撃機の爆弾一発で機関に損傷を受けて足を引っ張るという展開。いきなり不安を感じさせてくれるのですが、どのように戦局に関わってくるのでしょう?
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2004年03月23日

異形特務空母<那由多>激突!第八海洋海戦

学研/2004年3月23日第1刷/850円/ISBN4-05-402422-X


異形特務空母〈那由多〉


大怪球の落下によりシベリヤで大爆発が発生し、モスクワも壊滅した世界。その落下の影響でポールシフトが発生し、新たな北極はカナダとなっていた。シベリヤには新たなる海ができ、ケノービ海と呼ばれ、極東共和国と日本の連合軍と、欧州統一機構が対立する最前線となる。ケノービ海周辺は双方の条約で飛行場の建設ができず、また、日本側はケノービ海へ戦艦を持ち込むことができずにいた。この状況を打破すべく、戦車の上方に甲板を用意し、連結することで地上空母を造り出すことで日本は制空権を確保しようと試みる。さらに沿岸に海軍工廠を作り上げ、戦艦武蔵を建造するのだった。

戦車を連結して臨時に飛行場を作り出してしまうという奇想天外な兵器がすごいですね。作品中でも描かれていますが、離陸はともかく着陸が非常に困難。横幅が5mもないんだそうな。恐ろしく熟練した技術が必要となりそうですね。事故で多数のパイロットを失いそう。それ以前に格納できない時点で運用できる機体の数に大きな制約がありますが。陸上空母と対になる欧州側の兵器は無難に重巡改装の小型空母。見所は海上と地上の空母の戦いというところにありました。書名でかなり敬遠しそうですが、思ったよりもまともなほうかも!?
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