2005年12月01日

時空連合自衛隊2 慟哭の空、牙を剥く獅子

コスミック出版/2005年12月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1089-X



自衛隊側に初の戦死者が出る迎撃戦からストーリーが始まっている。
九州が空襲の被害にあうのはともかくとして、自衛隊機も4機撃墜されたり南鳥島基地の壊滅など、あからさまな伏線が読み取れる。
2010年のほうも中国海軍の強硬派のために開戦への道を突き進んでいく展開となっていて危機を迎え始める。
実質的にこの2巻目も1945年のほうがメインで、大和を支援する自衛隊と敵艦隊との戦いが物語の山場といった感じ。
圧倒的な性能差があるから盛り上がりに欠けるままにストーリーが進んでいくのが残念だといえよう。
力量不足なのか、プロットからうまくストーリー的な肉付けをできていないようで。
F/A-18が敵にいて乱戦のさなかに活躍しているとか、クラスター爆弾で大厄災を運んでくるとかあるんだけど、伏線と書かれている数ページからあとは察して脳内で全部補完しろ的な感じ。
そういう手法はありだと思うけど、この作品の場合にはページ配分の見直しできっちり書けるだろうってあたりがちょっとね……。

前巻からあまり間もなく急いで執筆したからか、ミスも目立っていた。
近いほうを攻撃するとかP147で伊藤長官が指示を出すのだが、どちらも距離三〇〇って……同じじゃないか。どっちだよ!
そんな状況でそういう指示を出されたら確実に負けるね。
ほかにも、ウィスコンシンの艦長が自艦の搭載砲の攻撃を耐えられないから戦艦の要件を満たしてないワシントン(ノースカロライナ級)はダメだなとかP156で言わせておきながら、次のページでウィスコンシンをノースカロライナと取り違えて矛盾したことを書いているのには驚かされたね。
P161ではウィスコンソンとなっていて艦名を間違えているし、もう架空戦記物としてダメダメすぎ。
そのあたりは文庫化のときに直っているのかなぁ?

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2005年10月01日

時空連合自衛隊1 不沈戦艦大和、南海の逆襲!

コスミック出版/2005年10月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-1086-5



天変地異で1945年と2010年の西日本が入れ替わってしまった世界を舞台にした架空戦記です。
どちらか片方をテーマにしているわけでないのが特徴かな。
1945年に転移してしまった西日本は末期的な戦いに巻き込まれ、2010年は中国との開戦直前というべき状態に置かれていている。

航空自衛隊が演習していた空域が、転移直後に沖縄特攻の大和の近くだったため救出できるとか時空転移の範囲がご都合的なのはお約束。
本巻は主に過去へ転移してしまった西日本の自衛隊の戦いがメインで綴られている。
敵機動部隊の撃破と沖縄からの撤退作戦を行ないつつ時間を稼ごうとする感じのストーリー展開。
補給や生活必需品を考えれば時間稼ぎはデメリットばかりだと思うんだが……。

逆に、東日本のほうは開戦危機の最中に戦力の半分を失い、ほとんどが戦力にならない旧軍になってしまっているさまが軽く語られる程度だ。
まあ、空母信濃が戦力に寄与する感じではあるけど、それぐらいね。

落としても落としても無限に前線に戦力が補充されてくる恐怖と戦っている西日本の航空自衛隊が大変なことになっているけど。
まだ破綻までは1巻目ではいかなかった。
でも逆襲というサブタイトルは嘘で、大和は修理中で戦線復帰していないんだよね。

なお、2008年1月に全3巻をまとめた文庫本が発売となっている。
これから読もうという人は文庫本のほうがお得だ。
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2004年08月03日

帝国崩壊

学研/2004年8月3日第1刷発行/850円/ISBN4-05-402541-2



移民を受け入れ続け多民族国家となった日本。樺太から中国沿岸部、インドネシアまでを領土とする一大帝國へ成り上がる。世界大戦で凋落する欧州と正反対に勢力を増大させていた。そんな日本帝國を恐れ包囲網を作るアメリカのルーズベルト大統領。それに対し大日本帝國大統領ウィンストン・チャーチルは開戦という賭けに出た……。

いきなりもう舞台が目茶苦茶ですね。読み始めた直後に、ついていけるのかいきなり不安になります。しかも、本土以外は圧政で治安が極度に悪化しているという状態。「資源地帯を持っていてよかったね」とはいかないわけです。そんな中で帝國の将来を憂いた有志たちが信濃ほか数隻で離反。自由日本艦隊を名乗るという突拍子もない展開になります。ぉぃぉぃ、補給はどうするんだよ……。奇抜すぎて自分はシリーズ途中で(読むの)脱落しそうかも。
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2002年03月22日

修羅の戦艦『大和』2

白石書店/2002年3月22日第1刷発行/857円/ISBN4-7866-3045-4



トラック近海で航空戦が行なわれ、艦隊決戦へのカウントダウンが進む。帝國海軍は200機以上の直掩機を上げるという徹底した制空権確保の元に決戦を挑んでいく。大和の圧倒的な攻撃力・防御力でねじ伏せていく帝國海軍。ティルピッツを主力とするドイツ海軍も奮闘。圧倒的な勝利を得る。だが、その頃米本土ではF8Fの量産が始まりつつあった。

多数の戦艦が撃ち合うトラック沖大海戦が見どころ。かなりのページ数が割かれていて読み応えあり。大海戦から9カ月後の機動部隊襲来の部分がおまけに思えるぐらい(笑)。大艦巨砲主義が好きな人にお薦めかも。
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2002年02月22日

修羅の戦艦『大和』1

白石書店/2002年2月22日第1刷発行/857円/ISBN4-7866-3044-6



真珠湾攻撃へ持つ予想以上の抵抗に連合艦隊司令長官山本五十六は、連合艦隊司令部直属の第一戦隊を率いて機動部隊と共にハワイへと向かった。だが、(暗号解読によって?)待ち伏せていた太平洋艦隊の攻撃で機動部隊は大損害を受け、赤城、加賀、蒼龍の3空母と戦艦陸奥を喪失。山本長官も敵弾に倒れ戦死。大博打の結果は海軍に未曾有の危機をもたらした。

艦載機の損耗率90%という搭乗員の大量喪失をした海軍は、攻撃兵力としての航空戦力を断念。戦闘機主体の防御目的に体制を変更する。実験的な装甲空母龍驤(搭載機32機)の量産を開始し、各艦の対空兵装の見直しも行なわれた。竣工直前の大和も対空兵装を強化。クーデターで対ソ戦バルバロッサを阻止した友邦ドイツからの派遣艦隊も加わってトラック沖で大海戦が発生しようとしていた……。

いきなり開戦初頭に大きな戦力を失う帝國海軍。悲惨な退却戦が本巻のメインかも。その後は時間を稼ぎつつ、空母翔鳳をドイツに提供するなどした見返りでさまざまな技術を得た結果、戦力を増強。トラック侵攻をめざす米海軍と決戦の時が迫る……というところで終了。いわゆるオープニング部分だけなわけですね。それ故に少々物足りないと感じるかもしれません。
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