2008年06月10日

新東亜大戦 昭和20年日米開戦

学研/2008年6月10日第1刷発行/900円/ISBN978-4-05-403788-5




軍令部総長の永野修身が急死し、後任に山本五十六が抜擢された世界の話となっている。
昭和16年10月の御聖断でハルノートを受け入れて交渉を開始すると共にその内容を公表し、外交で蒋介石陣営と休戦したり大英帝国とうまく交渉していたりする展開。
それでも時間を稼ぐことしかできず、昭和20年末に今度は回避の出来ない状況になり宣戦布告されて戦いが始まるという舞台設定だ。
そこに至るまでの状況描写が案外長くて、全体の2/3ほどを占めている。
台湾空襲から始まる戦いは、P38/P47に疾風/紫電が襲いかかり、B-29には鍾馗/雷電/震電が襲いかかるというもの。
震電が実戦投入されて活躍しているのがこの作品のポイントですね。
南方の資源地帯からの輸送船団を巡って海戦が発生しそうな演出で盛り上がって本書はストーリーが終わっている。
気になったら次巻も買えということのようですね。
この著者は状況描写が必要以上に長すぎるケースが多いから、次巻にはやや躊躇いを感じるけど覚えているうちに発売されたら買ってしまいそうだ。
記憶が残っていて気になっている時期に見かけたら、誘惑に負けちゃいそうだもんね。
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2008年03月25日

飛翔の海戦3

実業之日本社/2008年3月25日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60489-3




状況的には、ミッドウェー駐留の帝國陸海軍航空隊と、ハワイ方面の米陸海軍の航空戦が行なわれ、補給で苦労しながらも帝國陸海軍航空隊が善戦しているというところから本書は始まる。
パナマ運河が破壊されて使えず、やむなくドレーク海峡を通過して大西洋から太平洋に戦力を移していく米海軍と、それを迎え撃つ帝國海軍潜水艦というのが本書のメインかな。

2巻でパナマ運河を破壊することに成功した帝國海軍が、はるばる南半球へと潜水戦隊を送り込んで迎撃している。
第一撃は潜水艦発射の熱源探知誘導の噴進弾。
動揺している艦隊への第二撃は酸素魚雷と音響追尾魚雷による雷撃戦となる。
派遣距離が距離だけに参加艦艇数は少なく、大型艦艇の撃沈には至らないのは仕方のないところだろう。
熱源探知誘導が実用化されるところは開発ペース早いな〜とか思わされるけど、夢物語というものでもないしアリかと。

かなりのページ数を割いている割には大型艦艇の撃破がならず、時間を稼いだだけとなったマゼラン海戦後は、米海軍は防備の硬いミッドウェーではなくウェーキへと攻め込んでくる。
陸軍航空隊の飛燕Ⅱ型が奮戦して新鋭機F6Fを撃破するなどのシーンが描かれていて太平洋の戦いがそこそこ楽しめると思う。

とはいっても、中盤過ぎまでの潜水艦による襲撃は架空戦記に派手さを求める人にとってかなり物足りなさを感じる展開だろうし、そこで満足できない人は島嶼での航空迎撃戦も微妙なんだろうね。
地味な面での戦いの描写も結構好きな自分は「こんなところから来たか」と思うだけだけどね。
あと、うんちくを披露するのは適度ならばよいと思うのだが、この著者の場合はそれが多すぎて物語のほうがそのぶん薄くなる傾向があるのは今回も同じだったかな。
著者の2次大戦の知識はまあ十分ある感じでよいのだけれど、いつも物語の(ストーリー配分などの)構成がどこかずれているというのは担当編集がアドバイスすべきだと思うのだが……。
担当編集者は架空戦記に興味がないのかなぁ〜。
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2005年11月03日

続大日本帝国欧州大戦 神々の戦場 上

銀河出版/2005年11月3日初版/857円/ISBN4-87777-078-X


大日本帝国欧州大戦(続 上)


ポーランドを占領したソ連はその矛先を東欧諸国へと向ける。ルーマニアとブルガリアへ進駐した赤軍部隊はバルカン半島の占領を目指し、イタリアをそそのかして味方に引き入れギリシャへと侵攻を開始した。
スターリンのきまぐれで試験もそこそこに量産が始まったT-34/76の配備も進み凶暴さを増した赤軍部隊。
要衝テレモピレーでソ連赤軍を待ちかまえていたのは大日本帝国陸軍の派遣部隊だった。

ヒトラーが暗殺されてドイツと日本が連合国側に参加しているという世界が舞台の「大日本帝国欧州大戦」の続編です。ちゃんと続いてくれてよかったよぉ。
まず最初に感じたのは、久々に厚い架空戦記ということですね。250ページあるものなんて、このところほとんど見かけていませんからね。読み応えありました。
前半は赤軍の侵攻状況だとか迎撃する連合軍側などの状況描写がメインで、盛り上がりに欠けるまま進んでいるのが残念ではありますが、これ以前の2巻を読んでいない人にはないと困る部分っぽいから仕方がないのかな。
本書で熱いのは後半の4章以降で、テレモピレーで歩兵一個連隊で軍団規模の赤軍を迎え撃つシーンでしょう。
教科書的な作戦しか遂行できない赤軍を相手に奇策で対抗していくあたりは見ものですね。
増援されたドイツ国防軍の高射砲部隊もさり気なく活躍しているのがイイ。
帝国海軍はさっぱり登場しないのがやや物足りない気もしましたが、次巻も楽しみであります。
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2005年03月25日

大日本帝国欧州大戦 風雪の戦場 下

銀河出版/2005年3月25日初版/857円/ISBN4-87777-070-4


大日本帝国欧州大戦(下)


ナチス崩壊でソ連共産党対西欧諸国で開戦している世界が舞台です。前巻はドイツに派遣されていた帝国陸軍が巻き込まれて戦っていましたが、今回はフィンランドに帝国陸海軍が要請に応じて派兵しています。赤軍対フィンランド・日本の戦いがメインです。しかしなんといっても、登場兵器が渋い。渋すぎです。九七式戦や九六式陸攻などで戦っていきます。というかそういう年代が舞台なので仕方がないといえば仕方がないのでしょうけれど。何せそれらの兵器が最新というものなので。西欧諸国は砕氷艦を投入してクロンシュタットに戦艦部隊が殴り込みを掛けるぐらい。読んでいて、なるほどそうだよなぁ、というのが多いものの、あまりの渋さに読み手も不安になってしまいます。この話は最後まで語られるんだろうか、と。これが下巻になってますが、もしかしてプロローグ的なこの上下巻だけでもうこのシリーズは終わりなのでしょうかね? すごいところから設定を引っぱる大作かと思ったんですが、これで終わりだったりすると「それなら商業ベースで出すのはどうなのよ?」的作品の予感がしてなりません。大戦終結まで続く……んですよね?
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2004年12月24日

大日本帝国欧州大戦 総統のいない戦場 上

銀河出版/2004年12月24日初版/857円/ISBN4-87777-066-6


大日本帝国欧州大戦(上)


共産主義者の策略で暗殺されたヒトラー総統というすごい設定。求心力を失ったナチス党は急速に衰えていく。最大のライバルを倒したスターリンはドイツの混乱の中、領土獲得のために侵略戦争を開始し、ポーランドへ侵攻する。共産主義者を倒すためにドイツと手を結ぼうとする英国と、アデェナウアー新首相の元で外交政策の転換を図るドイツの接近の影響は、世界情勢は大きく変化しようとしていた。

ドイツの政変で連合国側に近付いていくドイツと、それに引きずられていく日本という物語ですね。東プロイセンはソ連軍のポーランド侵攻で孤立するわけですが、スターリンの指令で越境して侵入。東プロイセンにはロンメル将軍指揮の装甲部隊と、大日本帝国が機甲戦術を学ぶために派遣していたSS義勇兵扱いの派遣軍があって奮戦するという話でした。とはいえ、世界がずいぶん違うから状況説明のほうにページが割かれていて(日独が登場する)戦闘描写はそれほど多くない印象を受けます。押されまくる連合軍がどうなるか下巻が気になるところです。
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2002年09月05日

連合艦隊、ミッドウェー陽動作戦指令3 パナマ運河攻撃編

実業之日本社/2002年9月5日初版発行/838円/ISBN4-408-60194-2


連合艦隊、ミッドウェー陽動作戦発令(3(パナマ運河攻撃編))


アラスカを占領している日本は、米陸軍航空隊による爆撃で同胞が被った被害を非難する世論の影響のために本格的空襲ができない状況に助けられて、アラスカ方面の戦線を膠着させることに成功した。これによってドイツとの継続的な技術交流が可能となり、V1/V2の技術を取得する。それらの弾頭を軽くして射程を延ばすなどの改良をして実戦配備を進め、まずは伊勢、日向、山城、扶桑の4戦艦を改装。V2発射母艦としてパナマ運河を攻撃すると共に、母艦となる潜水艦の開発や、航空隊からのV1発射による攻撃圏の拡大で米政府に揺さぶりを掛けていく。そして、アラスカでは秘密基地の建設が急速に行なわれつつあった。

北極圏ルートでの技術交流とアラスカ経由の援ソ物資遮断でけっこう粘っている枢軸軍という世界が行き着く先は、迎撃不可能な弾道ミサイルでした。米国世論を揺さぶるというというのは多いですが、弾道弾を戦艦に搭載しようなどという大胆な発想は新鮮でした。まあ、本書のタイトルが2巻、3巻ではもう実情とあっていないのはこのジャンルではお約束ということで……。
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2002年02月25日

連合艦隊、ミッドウェー陽動作戦指令2 北米空爆編

実業之日本社/2002年2月25日初版発行/838円/ISBN4-408-60175-6


連合艦隊、ミッドウェー陽動作戦発令(2(北米空爆編))


タイトル通りミッドウェー方面の作戦を陽動にアラスカを占領した日本軍。一式陸攻の原型となった四発の陸攻を戦訓を取り入れて改良し、三式陸攻泰山として採用。アラスカに配備することになる。というか、占領したから泰山が必要となって作ったという感じの展開ですけどね。試作段階のB-29を脅威と感じた大本営は、海軍航空隊の泰山でシアトルのボーイング工場を空襲。空母機動部隊の協力もあり撃破することに成功した……。

占領したアラスカを起点に戦っていく日本海軍の戦いが描かれています。まあ、防空では陸軍も活躍している感じの展開でありますが。アラスカをめぐっての戦いでは機動部隊の活躍で空母も撃沈するし、なんだかやや優勢で進んでいく意外な展開。加賀を失うなど被害も大きいけれど。まあ、どうあがいてもカナダへ侵攻する余力がなかったりするわけで。講和条件がどうなるのかというところで次巻へ続きます。
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2001年10月25日

連合艦隊、ミッドウェー陽動作戦指令

実業之日本社/2001年10月25日初版発行/838円/ISBN4-408-60163-2


連合艦隊、ミッドウェー陽動作戦発令


陸軍の反対でミッドウェー作戦を断念した日本軍は、アリューシャン方面を攻勢軸に設定。中部太平洋では防御体制を取ることに決定する。鳳翔、龍驤、瑞鳳、大鷹の4隻からなる機動部隊がミッドウェーで陽動を行ない、その隙に主力はアラスカの完全攻略を目指して、まずはアリューシャン方面の確保を目指すことになる。真珠湾並みの作戦秘匿で、旧計画を暗号の解読で待ち受ける米軍の正規空母3隻により陽動を行なった第二機動部隊は空母4隻を失う壊滅的打撃を受けてしまう。だが、満州の関東軍から精鋭を引き抜いた陸軍はアラスカを怒濤の勢いで進撃する。

哨戒にしか使えないミッドウェーでなく、対ソ支援ルートの遮断によるドイツ支援と資源の確保にもなるアラスカ。とはいえ厳寒地では資源の確保はかなり厳しいでしょうけどね。島づたいに陸軍の航空隊がアラスカへ進出する計画や、主戦場を北太平洋に設定するあたりが斬新な展開でした。辺境とはいえ本土の一部が占領されるという面での圧力が次巻以降へ大きく影響を与えることになりそうです。
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2001年10月01日

中国の逆襲 下 極東クライシス

コスミック出版/2001年10月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-0440-7



中国の封鎖作戦に素早く反応した台湾・アメリカ・日本。沿岸部のミサイル陣地の撃破をアメリカが引き受け、日本は掃海艇部隊を第一護衛群と第二護衛群が守って掃海を開始する。電子装備に勝る日米は中国空軍を撃退。ついに中国は弾道弾による台湾攻撃を開始した。

上巻とは打って変わって激闘編というべき展開の下巻です。引くに引かれぬ状況で暴走していく紅軍が読んでいてあまりにも不幸に感じてしまいます。それにしても、本巻で登場している52発発射された弾道弾のほとんどを撃破するシステムの構築は現実でも早く実現してほしいところ。
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2001年09月01日

中国の逆襲 上 極東クライシス

コスミック出版/2001年9月1日初版発行/857円/ISBN4-7747-0436-9



大陸棚の資源をめぐって尖閣諸島で自衛隊と中国海軍が交戦し、大敗を喫して屈辱を味わっている中国。沖縄から撤退しているアメリカ。そのような状況の中で、海賊を利用して周辺諸国を荒らしていたが、日米欧の海賊取り締まりが本格的に行なわれ、P-3Cと高速哨戒艇で海賊は駆逐された。たび重なる失敗を教訓に、今度は万全の準備の元に中国は台湾の金門島を機雷封鎖に打って出る。本土のミサイルの傘を利用して、実質的制圧を試みるのだった……。

中国の覇権主義と、それを警戒するアメリカの支援の元に完全独立をめざす台湾が周辺諸国を巻き込んで戦うという話。出版された頃が微妙で、大泉首相に中田外相という日本になってます。今となっては……ねぇ。上巻は機雷封鎖が行なわれたことが発覚して驚く関係各国というところまで。政治面の話で進んでいくのでそんなのはあまり気にしないという人には物足りなさがあるかもしれません。したたかな外交をする台湾がいい感じでした。
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1998年11月14日

海陽出撃! 青竜艦隊伝説I

アスペクトノベルズ/1998年11月14日初版発行/860円/ISBN4-7572-0207-5



秋月級駆逐艦満月は復員船として活躍したあと、戦時賠償艦として中華民国へ送られていた。内戦で敗退を続ける状況を憂いた蒋介石は、起死回生の策として旧帝国海軍の軍人をスカウトし傭兵艦隊を創設しようと考える。そして義勇兵として内戦に参戦すした彼らが、海陽(旧帝国海軍駆逐艦満月)に乗り組んで活躍するという物語だ。

前半は義勇兵の募集や密出国、海陽を手に入れるまでの暗躍です。主計長が悪知恵を働かせて数々の物資を現地調達してくる手腕、特に輸送船を横取りしたりするあたりが面白い。海陽の活躍は物語の終盤になってからで、ソ連が派遣している義勇軍「赤旗艦隊」との決戦でした。艦砲射撃で地上軍を支援している2隻の駆逐艦を奇襲して撃退する第一ラウンド、財宝を輸送する輸送船を守るために3隻の駆逐艦と1隻の水雷艇と戦う第二ラウンド。国民党側にろくな海軍戦力がないと敵が油断していた第一ラウンドはともかく、第二ラウンドは4倍の敵です。これを倒すための駆け引きが緊迫していてよい感じでした。
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1998年06月15日

ザ・パシフィック・ウォー

KKベストセラーズ/1998年6月15日初版発行/800円/ISBN4-584-17817-8


ザ・パシフィック・ウォー(謀略篇)


悪天候のなかフライトを強行したユンカース旅客機。これにはナチス党のリッペントロップと駐独日本大使館の駐在武官大島大佐が乗っていたが、行方不明となる。事故で墜落と発表されたこの事件は、日独の同盟を画策していた2人の死により同盟のプランは完全に消滅。ドイツは蒋介石政権を支援し続けることになった。その結果、独中ソの三国同盟が成立し、独ソの最新兵器との戦いになった日本陸軍は各地で押され、陸軍は弱気になりつつあった。

独ソを敵視する欧州、特に英国の思惑で日米間が緊張しても日本は欧州の支援があって孤立をしていないという世界でこのシリーズは進んでいくようです。中国大陸は米独ソの三国が影響力を競い荒れている感じなのが2巻以降に影響してきそうですね。極東の利権を守るために日本を陰から支援する英国の暗躍が気になるところ。1巻目は伏線だけで終わってしまっていますが……。
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