2008年08月05日

八六艦隊決戦 衝突!

経済界/2008年8月5日初版発行/895円/ISBN978-4-7667-3137-8



ワシントン軍縮会議の最中に外交暗号が解読されていることに気付き、暗号を変更して交渉に臨んだ世界が舞台。
暗号変更の際のでたらめな通信が米英を困惑させて譲歩を導き出す。
これにより、陸奥の完成が認められただけでなく、加賀、土佐、天城、赤城も保有が認められることとなる。
その代わりに航続距離を3000海里にすることという制約が科せられた。
4隻の戦艦の新造で国家予算が圧迫され、補助艦艇が不足する事態となり、それを補うべく4発の大型攻撃機の開発が進む。
ウラジオストックを実効支配する話や補助艦艇量産への布石などの状況説明で、本書の2/3ぐらいが使われている。

見せ場は昭和15年6月に発生する戦闘だろうか。
大演習を行なおうとする日本海軍と、それを阻止しようとする米艦隊の間で紛争が発生する。
伊二一潜が威嚇攻撃を受け連絡を絶ち、大攻部隊は迎撃に上がってきた戦闘機の挑発を受けるが、事故的に正面衝突が起こりお互いに1機落ちてから大攻と敵戦闘機の間で交戦が始まる。
お互い5機ずつ落とされたものの事故として対応しようとしていた両軍の司令部だったが、私怨で戦闘を開始する馬鹿者のせいで大変な事態を迎えることになる。
気になるところで続きは次巻へ……となっていて微妙。
これは2巻目を見てからの購入でもよかったかもしれない。
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2007年12月10日

興国の楯 通商護衛機動艦隊 奇襲!ロイヤルサブリン追撃指令

学研/2007年12月10日第1刷/900円/ISBN978-4-05-403624-6




戦艦1、巡洋艦1、駆逐艦2の小規模な英海軍の艦隊を追跡する通商さん。
ある作戦の元に、潜水船二一号は護衛の駆逐艦を撃沈し、追跡を続けていた。
そこに敵は援軍としてコルベットを送り込んでくるが、コルベットは優秀で僚船である潜水船二二号を撃沈されてしまう。
商船改装空母との合流を目指す敵艦隊の先手を取った通商さんは、合流前に敵空母バリスタに対して空母平家から攻撃隊を送り込み撃沈。
合流を阻止するのだった。
死闘の果てにコルベットを撃沈して巡洋艦を沈めていく通商さんの目的は……戦艦の鹵獲?

というわけで、本巻は通商さんが戦艦ロイヤルサブリンを降伏させて手に入れるべく行なう一大作戦が語られている。
コンクリートで船体が作られた輸送船が登場しているのも面白い。
爆弾の至近弾で沈みそうになるさまは思わず爆笑しそうになってしまった。
しかし、この作戦のためだけに連結すると浮きドックになるコンクリート船を用意したなんてことはあり得ないから、次巻以降でどういう活躍をするのか気になるところだ。
戦艦をゲットしているのに本巻で終わりということはないだろうから通商さんのさらなる活躍を期待したい。
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2007年04月10日

興国の楯 通商護衛機動艦隊 死闘!ソロモン大海戦

学研/2007年4月10日第1刷/900円/ISBN978-4-05-403411-2




ソロモン方面に進撃中の米艦隊。
だが、米艦隊の先遣艦隊は陸軍航空隊が通商さんから受け取っていた小型の航空魚雷で護衛艦艇が壊滅し、大破した空母と無傷の戦艦、そして輸送船2隻のみになっていた。
死に神に見放された佐竹・遠山コンビの彗星が空母エセックスにトドメを刺して撃沈。
さらに陸軍魚雷艇部隊が襲撃して戦艦ワシントンをも撃沈する。
一方、米艦隊本隊を発進した攻撃隊は連合艦隊の前衛部隊を奇襲して、戦艦部隊を直衞する鳳翔と龍驤に殺到して2隻を撃沈したのだった。
上空支援のなくなった前衛部隊を守るべく戦闘機を送る通商さんと、米艦隊本隊へ向けて攻撃隊を発進させる第三艦隊。
だが、どちらも米海軍が配備し始めたばかりの新鋭機F6Fの前に苦戦を強いられる……。


今回も通商さんが活躍していますね。
魚雷艇駆逐艇に魚雷を搭載できるように改造して魚雷艇にしちゃうとか、型破りな陸軍工兵隊の指揮官には驚かされます。
まぁ、ギャグみたいなやり取りの会話はもはやこのシリーズの作品ではお約束か。
連合艦隊のほうはというと、空母が被弾炎上したらミッドウェーの悪夢が頭に浮かび、空母の乗組員が弱気になっているというトラウマが痛いですねぇ。
次巻以降でとんでもないことでも起こる伏線なのだろうか?

それにしても今回初めて通商さんと連合艦隊が連携していたのが驚き。ちょこっとだけど。
最後までそういうのがない作品だと思い込んでいたからねぇ。
山本長官に諭された連合艦隊首脳部が次巻からどう行動するのかが気になるところ。
F6Fの登場といい、次の戦場はどこになるのかわからないけど熱いストーリー展開が期待できそうです。
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2007年02月10日

帝國海軍鬼道艦隊

実業之日本社/2007年2月10日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60415-2




戦艦の弾着観測を確実に行なうため、帝國海軍は弾着観測専門の観測艦を建造することになった。
観測艦雲龍級は戦闘機と観測機のみを搭載し、商船構造で安価に建造された。
危険な爆弾庫や魚雷庫はなく、間接防御で被害を抑えるという発想で設計されていた。
中国軍との戦いに向かった雲龍は被弾し、海軍艦艇の脆弱性という問題を突きつけられ、防火対策といった改善を進めていくことになる。
その後、空母運用のあり方の研究が進み、制空権を確保できれば観測艦がなくてもよいと判断され、雲龍級は爆弾庫を増設して軽空母へと生まれ変わった。
そして緊迫する日米の状況下に、ウェーク島近海で米海軍を挑発する任務を受けて雲龍と天城を主力とする小規模な艦隊が出撃する。


弾着観測を専門に行なう観測艦という名目の空母という設定がユニーク。
どのように活躍するのか期待して読み進めていったら、残念ながら開戦時には空母になっちゃっていましたが(笑)。
机上演習で空母の運用を研究していたり、空地分離の研究も行なわれていたりいるので、次巻以降の展開はちょっと期待できそうな感じですね。
強襲偵察を行なえるよう15cm砲を搭載した雲龍と天城がニュートン少将の率いる空母レキシントンを中心とした艦隊と砲戦を開始するところが本書のクライマックスだけど、それまでは次巻以降への伏線となるであろう地味な話が多いのが好みの分かれそうなところかな。

気になる部分としてはいろいろあった。
本文中では「ウェーク島」となっているのに裏表紙では「ウェーキ島」となっているとか、中国軍相手に艦砲射撃をする戦艦伊勢の挿し絵が航空戦艦となっているとか。
挿し絵の問題は編集者の発注ミスだろうけど、ストーリー中で伊勢にする必然性がないので別の戦艦にしておけばこういうミスは発生しないような気もする。
P70では「観測艦雲龍は直接防御に力を入れた設計になっている」と記述されていて戸惑った。
実際には逆で「間接防御」と記述されていなければならない部分だけにね。
P187では「空母ポートランド」なんて艦種の取り違えもあるし、もうちょっと校正をしっかりやってほしいなぁ〜。
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2007年02月05日

教範遊撃隊血風録4 蒼海の死闘!

経済界/2007年2月5日初版発行/857円/ISBN978-4-7667-3120-0




ガダルカナル島へ上陸した米海兵隊を罠にかけ、補給を絶ち宣伝戦の材料にすべく工作を開始した教範遊撃隊。
島へ運び込まれたわずかな数の水上戦闘機によって作戦の修正が必要になったが、潜水艦と小規模な艦隊での完全な封鎖は上陸した海兵隊の食料事情は危機的な状況に陥らせた。
飢餓状態になったところへ人道的な見地からという名目で100トン近いパンを投下し、写真雑誌FRONTによって米国に揺さぶりをかけようとしていたのだった。
宣伝戦で後手にまわった結果、米海軍はガダルカナル島から海兵隊を撤退させるための艦隊を派遣する。



魚雷艇などを使って補給を続ける米海軍を潜水艦や艦載機で阻止していく地味な戦いが多い感じでしょうか。
水上戦闘機が活躍するガダルカナル島の戦いもそうですが、小規模な部隊同士で派手さはありませんね。
中盤からは宣伝戦のための布石だし、意外にまったりした感じで物語が展開している。
救援に向かう防空巡洋艦アトランタと軽巡ヘレナは、金剛を主力とする艦隊に割とあっけなくやられてしまうし、戦闘はあっさり気味。
空母ワスプと戦艦ワシントンを中核とした艦隊で撤退を成功させようとする作戦もあるけれど、最終章になってからなのでボリュームはない。
なにぶん最終章は宣伝戦の総仕上げとなる作戦も一緒に扱われているので、どちらもやや中途半端さを感じてしまう。
宣伝の切り札は空母瑞鶴の航空隊が西海岸へ雑誌FRONTを投下するというもので、そう来たかと意外な展開と感じたかな。
救援艦隊のほうはあっけなく機雷原で全滅するし、「なんだこの展開?」と驚いたね〜。
最終章に詰め込みすぎなことを考えると、もうちょっと作品の構想が長かったのに急遽これが最終巻となって慌ててて辻褄を合わせたようにも思える。
このため、ちょっと惜しいシリーズ作品になってしまったという印象だ。
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2006年11月11日

興国の楯 通商護衛機動艦隊 強襲!ラエ沖大海戦

学研/2006年11月11日第1刷/900円/ISBN4-05-403250-8




20cm砲を搭載した潜水艦イーガンがガダルカナル島を砲撃する。
続いて、ムンダ、ラバウルと奇襲をかけてくるイーガン。
だが、日本海軍は搭載砲から巡洋艦によるゲリラ的攻撃と判断して航空索敵を行ない、対応が後手に回っていた。
イーガンの陽動作戦にあわせて進撃していた米海軍部隊を偶然発見した伊一五潜は、雷撃により戦艦サウスダコタを撃沈。
さらに陸軍が試験的に配備していた屠龍雷撃隊が襲撃を掛ける。


20cm砲を3門搭載するという無茶そうな改造をしているイーガンが活躍していました。
日本の国力の限界から、補給が不十分な最前線の基地があまりにも無防備すぎて悲惨です。
佐竹・遠山コンビはイーガンを撃沈するし、37mm機関砲でエセックスを襲撃するし、またもや大活躍。
海軍に気付かれないように対艦攻撃能力を持つ部隊を編成し、既成事実を作ろうと要していた屠龍部隊というのには驚かされた感じ。
艦隊を要塞に見立てて、外周から潰していっているし、護衛艦艇を失った部隊がどうなるのかは次巻の大きなテーマといえるでしょう。
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2006年06月06日

教範遊撃隊血風録2 ガダルカナル争奪戦!

経済界/2006年6月6日初版発行/857円/ISBN4-7667-3114-X




オーストラリアを孤立化させるためNN作戦を開始した日本帝國陸海軍。
それに対して、アメリカは空母5隻からなる機動部隊と20隻もの輸送船団を送り込みガダルカナル島の占領を目論む。
だが、両軍共に予期せぬ展開を迎えることになるのだった。
ガダルカナルを測量するために送り込まれた山崎丸とその護衛に当たっていた駆逐艦睦月によって……。
空母部隊と輸送船団を分離したアメリカ海軍に忍び寄る刺客睦月。
夜陰に乗じて輸送船団に接近し、単艦で船団に奇襲攻撃をかけて大きな損害を与えるのだった。
米空母部隊はムンダへの航空攻撃をかけ基地を無力化しようとするが、実際には未完成の基地を完成して稼働しているという勘違いから戦果判定が過大に行なわれる。
重要目標の通信用の巨大な鉄塔を破壊できなかったことから第二次攻撃隊を出したものの、第五航空戦隊が派遣した戦闘機隊の待ち伏せに遭い攻撃隊は壊滅してしまった。
そんな中、かろうじてガダルカナル島に上陸することができた米海兵隊だが、睦月の再びの襲撃で揚陸した物資と揚陸中の輸送船を攻撃されて膨大な損害を受けてしまう。
だが米軍もまだガダルカナル島を諦めてはいなかった……。


教範遊撃隊が作成した(仮)司令部参謀教範を活用して情報を整理して合理的に行動する第五航空戦隊が地味ながらも今後の展開に大きな影響を与えそうな感じです。
本巻で一番活躍するのは、駆逐艦睦月なり。
夜襲で輸送船団に大きなダメージを与え、敵の揚陸後に空母機に弾着観測を要請しながら大きな損害を与え、さらには上陸した部隊との連携で敵拠点を艦砲射撃で粉砕していくという豪快な活躍をしてくれますぜ。
空母機や陸上部隊との迅速な連絡が確保できるのは教範遊撃隊の研究成果が活用されているわけで、シリーズ2巻目にしてだいぶ戦術レベルで影響が出てきているかなという感じ。
戦略レベルのほうでは本巻ですでに伏線が張られているので、3巻目以降で何か動きがあることでしょう。
久々にかなり面白そうな展開が期待できるシリーズかもしれません。
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2006年04月06日

興国の楯 通商護衛機動艦隊 ウエワク奪還作戦

学研/2006年4月6日第1刷/900円/ISBN4-05-403085-8


興国の楯(ウエワク奪還作戦)


潜水艦から上陸した米軍部隊にウエワクを占領された日本は、通商さんの護衛を受けて素早く反撃に転じる。
パラオにいた日本陸軍海上機動大隊を投入し奪還を目指す日本の船団を待ち受け、米海軍潜水艦は群狼戦術で襲いかかる。
ゲリラ的に抵抗する先手組の活躍により基地として稼働しないでいるウエワクまで通商機動部隊は無事に護衛任務を達成できるのだろうか?

いきなり冒頭のほうで熟練工を集めて生産連隊を編成して軍需工場で働かせるといった展開が待っていました。
これで今後の本シリーズでは生産力が向上していくということのようですね。
本書のメインは通商護衛戦で、日本の船団を襲撃する米潜水艦との戦いでは死に神に見放された佐竹・遠山コンビが活躍してくれます。
意外にしぶとく生き抜いているこの2人は、シリーズの最後まで生き残れるのか非常に気になるところ。
ポートモレスビーへ向かう連合軍の船団に対しては、陸軍の特設潜水輸送艇隊が襲撃をしかけたりして、ぉぃぉぃ陸軍が潜水艦を運用しちゃってるよって驚かされるとともに、次巻以降がどうなってしまうのか期待がふくらみますね。
今回は辻参謀クオリティーが笑えるかも……。
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2006年03月08日

教範遊撃隊血風録 前代未聞の不祥事!

経済界/2006年3月8日初版発行/857円/ISBN4-7667-3112-3


教範遊撃隊血風録


日華事変であってはならない皇軍相撃つ不祥事が発生し、陸海軍は再発を防止すべくお互いに対策調査機関を設置した。やがて陸海軍の調査機関は統合され、戦術研究部隊として戦場における軍の教範を作る陸海軍の未来を担う機関、「通称:教範遊撃隊」へと発展していく。
本書は教範遊撃隊の活躍が描かれていて興味深い展開が待っています。ノモンハンでは対戦車戦闘の実験で対戦車砲を主砲として搭載している試作改良された戦車があったりするし、浸透戦術を機械化部隊で行なって敵に大混乱を与えているなど新たな教範が誕生している感じの展開。
戦術以外にも試作兵器の問題点を被害を出しながら実戦で検証していく特殊な部隊という感じで、常に無茶をしているっぽい印象を受けつつ活躍する遊撃隊に注目なのです。
威力偵察でミッドウェイ島を襲撃した遊撃隊の戦訓などがどうなるのか、次巻の展開がかなり気になるところ。
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2006年02月05日

死闘!特設第三水雷戦隊2 ミッドウェイ敵漸減作戦

実業之日本社/2006年2月5日初版発行/857円/ISBN4-408-60355-4


死闘!特設第三水雷戦隊(2)


戦艦を一撃で葬り去ったことから一躍注目を浴びるようになった乙標的。特設水雷戦隊は潜水艦への補給任務で重巡鈴谷を主力とするわずかな護衛艦艇とともにミッドウェイ方面へ展開していた。
そんな彼らがバッタリ遭遇したのはミッドウェイ島へ移動中の第十七任務部隊。劣勢な特設水雷戦隊は乙標的を投入することになるのであった。
修理をしながら第十六任務部隊との合流を急いでいた空母ヨークタウンと軽巡アストリアを乙標的で撃沈し、鈴谷がポートランドを撃沈するという快挙があり、ミッドウェイ島は放棄され第十六任務部隊はハワイへ撤退する。
そうして帝国海軍は空母を8隻保有したままソロモン海へと戦場を移すのだった。

戦艦撃沈という成果をきっちり出した途端に乙標的に急に力が入る帝国海軍がナイス。戦訓を研究してとかではなく結果から入るあたりがありがちで実際あり得そうな展開ですね。
タイトルからして主役だと思っている乙標的の改良なんかよりも、本巻ではそこから派生した冶金技術向上による新型発動機で堅実に戦力が向上していっている印象を受ける海軍航空隊のほうが気になってしまいます。
戦果だけ見ると乙標的の撃沈数が空母2、戦艦1、軽巡1、大型輸送艦1とほかの艦隊に比べて断然すごいんだけど、その割には胡散臭い集団としてそれほど評価されていないっぽいあたりがシリーズ完結までにどう変化していくのかも気になるところだったりして。
驚くべきはいわゆる銀河(相当)が試作機とはいえガダルカナルをめぐる戦いですでに試作の先行量産機が活動していること。冶金技術の向上はかなり効果が出ている感じです。
乙標的の問題点もあきらかになりつつある本巻は、次巻以降の展開がどうなるのかという興味を引きつけさせられますね。
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2005年11月05日

興国の楯 通商護衛機動艦隊 必中!「愛国」超兵器作戦

学研/2005年11月5日第1刷/850円/ISBN4-05-402918-3


興国の楯(必中!「愛国」超兵器作戦)


南方作戦を順調に進めているかのように思える大日本帝国も、輸送艦艇では順調とはいえないでいた。そこでソ連を相手にバーター取引をして戦時急造艦を造らせるというドイツへの裏切りともいいかねない取引をしていたのだった。
その取引がなければ本来は存在もしなかったような輸送船により通商さんは任務をまっとうしていた。
ニューギニアの戦力を強固なものにしようという帝国側と、そうはさせじとする米軍の戦いは、4隻の輸送船に6隻の護衛を付けた船団と、それを襲撃すべく潜水艦と4隻の正規駆逐艦を派遣した米海軍との戦いは第一ラウンドでしかなかった。
米太平洋艦隊司令部は、貴重な空母と戦艦をも投入する決断を下す……。

シリーズ4巻目の本書では、冒頭からあやしげな取引が日ソ間で行なわれています。
1万トンクラスのスクラップをソ連に提供し、見返りに鹵獲品であるドイツの液冷エンジンの提供を受けているというのが意表を突かれる展開でしょうか。
廃船を受け取るつもりでいたソ連側はほとんど損害らしい損害もない重巡ソルトレイクシティを受け取ることになるという……。
「そんなものをもらってしまって大丈夫なのかよ」という感じで、これは今後の物語展開に大きく影響してきそうな予感がする。
ソ連の外交に影響が出てくるんじゃなかろうかと思うわけです。
まあ、受け取った液冷エンジンは飛燕なんかに使われて高性能な新型機が前線で活躍するという展開で進んでいくあたりはある意味予想通りかもしれません。
通商さんの活躍は船団護衛の成功だけでなく、彗星1機でホーネットを撃沈したりしていて大活躍しているのがイイですね。
タイトルにある「愛国」ってなんだろうというのも驚くべきもので楽しませてくれました。
何よりも凄いのは終盤における戦艦と戦う辻参謀という驚愕の展開。
あまりのことに笑い転げてしまいそうで、とにかく必読です。
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2005年10月05日

死闘!特設第三水雷戦隊 Z艦隊撃沈作戦

実業之日本社/2005年10月5日初版発行/857円/ISBN4-408-60339-2


死闘!特設第三水雷戦隊


戦艦の砲戦距離の増大にあわせ、対抗上水雷戦隊も魚雷の射程増大などの研究が必要となった。そこで将来水雷術研究会が開催され超高速駆逐艦や酸素魚雷などの研究候補が上げられていく。
そんな研究会で海軍水雷学校普通科学生の垣崎少尉は議事録をとっていたが、面白半分に超大型空気魚雷と書き加えてしまう。それがやがて120センチ空気魚雷という一撃必殺の兵器乙標的として研究が始まる。掃海作業機を兼ねて開発が進んでいく巨大魚雷。
そして乙標的は開戦直後にマレー沖でプリンスオブウェールズを相手に初陣を迎えるのだった。

120センチ魚雷とは破天荒な兵器が出てきましたね。61センチ魚雷の10倍の破壊力だそうで、命中すれば戦艦ですらも一撃で撃沈ほぼ確実です。
そんな大威力の魚雷の上に潜水艦の艦橋よろしく乗っている誘導者の脱出艇がなんとも怖ろしい……。
もはやこれは人間魚雷そのもので、かなり特攻兵器に近いですね。
この魚雷の開発のために冶金技術が向上して航空機用の新型発動機の開発に成功していたりするなど、次巻以降への伏線らしきものがあって読んでいて面白いかな。
試作機による偵察(?)でプリンスオブウエールズが反転して乙標的が活躍する場が出てくるあたりが山場。
しかし、P189で何度も出てくるの「劣性」って「劣勢」だろうとか思ってしまう。作家のミスとは思えないから編集側のミスなのかねぇ。
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2005年10月04日

皇国の機動要塞3 最終艦隊決戦!

経済界/2005年10月4日初版発行/857円/ISBN4-7667-3110-7


皇国の機動要塞(3)


戦艦ノースカロライナを主力とする艦隊でラバウルを潰そうとした米海軍は、第七戦隊の夜襲を受け重巡ミネアポリスとポートランドを撃沈されノースカロライナに魚雷1本が命中。第五航空戦隊の航空攻撃でトドメを刺される。
航空機に戦艦を撃沈されたという事実を信じられないままに艦隊決戦へと突き進む米海軍を待つ運命は?

潜水艦の集中攻撃や瑞鶴からの夜間航空攻撃で次々と主力艦をうち減らしていくのに、水雷戦隊は活躍できなかったり主力艦が戦争に寄与することなく終戦を迎えてしまうのが意外です。
あっさりと空母を失う米海軍や、同じく敵襲を受けて4空母を突如発着不能にされる帝国海軍。サブタイトルから激闘を期待しているとちょっと拍子抜けしてしまいます。
栗田提督が大活躍しているという架空戦記では非常に珍しい展開が新鮮な印象を受けました。

第五航空戦隊と第七戦隊を混同して一部が第五戦隊になっていたりという具合におかしな部分があったりするんですが、どうも校正をした編集者に知識がなくていじってはいけない部分を変にいじってしまったんじゃないかという気がする。
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2005年05月27日

皇国の機動要塞2 ラバウルの長い夜

経済界/2005年5月27日初版発行/857円/ISBN4-7667-3108-5


皇国の機動要塞(2)


ガルダ島付近の海底から手にできる天然ガスを合成石油へ精製している日本という設定のシリーズ2巻目。国防上重要な拠点であり、それを守るために連合艦隊は戦略を練り直すことになったのが前巻でした。本巻はガルダ島を守るためにグアムを攻略する帝国海軍とその陸戦隊の活躍が見せ場でしょうか。第五航空戦隊の奇襲で大損害を受けたホーネットがグアム島の浅瀬へ乗りあげて島の防衛拠点になってしまうあたりは斬新だと思います。空母とはいえ、その火力と防御力は陸戦隊にすれば脅威となる要塞のようなもの。一夜にして出現した大きな障害を排除していく陸戦隊の活躍は地味だけど重要ですね。

グアムの攻略と同時にラバウルの攻略も行なわれていますが、なんとも帝国らしくないやり方で、事前にオーストラリアに交渉しています。戦争が終わったら返還するから使わせろ、ということですね。対価はまた石油のイギリスへの輸送と英連邦の通商保護らしい。油に余裕があると帝国軍人たちはこんなにも柔軟になれるんでしょうか。なかなか興味深いです。

それと、日米とも戦争(紛争?)を二国間で解決しようとしているために、英連邦もしたたかに取引で黙認した感じ。そのラバウルは、ガルダ島を守りたい日本とフィリピンを守りたい米国の双方に非常に重要な位置にあるわけで海空戦が発生する……と。なかなかうまくストーリーが組み立てられていますね。ヨークタウン、レキシントンの2空母でラバウルを襲う米機動部隊と、ラバウルへ進出した基地航空隊の戦いがクライマックスでしょう。珍しく双方とも夜間の航空戦を挑むあたりも比較的珍しいかもしれません。山本長官の判断ミスで遊軍となってしまっている空母部隊は次巻で活躍するのでしょうかね?
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2005年05月09日

興国の盾 通商機動艦隊 ソロモン機動作戦

学研/2005年5月9日第1刷/850円/ISBN4-05-402786-5


興国の楯(ソロモン機動作戦)


逓信省の通商機動部隊は、最前線のニューギニア方面で活躍していた。新たに陸軍から優秀な商船を譲り受け、20cm砲搭載で搭載機20機の改装空母を手にする。上陸支援のための搭載砲の初陣は駆逐艦との遭遇戦で活躍。2隻を撃沈するという戦果をあげた。だが、空母ホーネットが遊弋し、神出鬼没の奇襲をかけてきているニューギニアは戦線が膠着したまま帝国海軍は戦力の多くを割かねばならなかった。そこで通商機動部隊の登場なのであります!

相変わらずコメディ的なこのシリーズ。船長が「お前のほうが向いている」と船長代理を指名するようなすごいお方が登場しています。前巻で活躍した魚雷艇駆逐艇はタンカーを発見して襲撃するんですが、自動砲の命中で燃料が漏れ始めたところへ火炎瓶の投擲でタンカーを撃沈するという衝撃的なシーンがあったりします。すごいよ、通商さん。火炎瓶で撃沈って……。それがホーネットの補給に向かっていた油槽船だったからドタバタした展開で両軍とも計画が狂っていくという大混乱(ステキ)なお話でした。なんといっても本書で注目すべき部分は空母ホーネット。燃料は補給されない、駆潜艇の砲撃で火災発生、陸軍航空隊の攻撃で被弾などなど。襲いかかる脅威から逃げ切れるのか? いつ致命的損害を受けるんだろう、それともかろうじて逃げ切れるのだろうか……と気になりながら読みました。なんだか、巻が進むごとにふがいなくなっていく海軍はどこまで行くのかも気になったり。楽しみなんだけど、これ続刊ですよね?
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2005年02月07日

皇国の機動要塞 マリアナ海域、浪高し!

経済界/2005年2月7日初版発行/857円/ISBN4-7667-3106-9


皇国の機動要塞(マリアナ海域、浪高し!)


委任統治領のガルダ島周辺は遭難が相次ぐ魔の海として恐れられていた。南洋庁より海洋調査を依頼された帝国海軍は、伊五一潜を派遣するが遭難してしまう。唯一の生き残りである水偵の搭乗員の証言と記録写真から、ガルダ島周辺の海底には天然ガスが存在することが判明。ここに人造石油基地を建設し、日本の石油の国内消費を合成石油でまかなうことになる。ただ、ガルダ島はグアム島からわずか300キロ。帝国海軍は従来の邀撃作戦が役に立たなくなり、戦略の見直しを迫られる……。

石油の国内消費を50〜100年は賄えるという資源が発見されて日米共に戦略の見直しが必要になるという斬新な設定の新シリーズが始まりました。よくもまあ、こういろいろとネタが出てきますよね。発想の柔軟さには尊敬してしまいます。物語は天然ガスが見つかってそれが合成石油にできるなんて簡単なものではありませんでした。発見された場所も問題ですが、工場の資材が国内で作れず輸入に頼なればならないと。工場建設の工期の第2期までで国内経済が大発展したために、日本はドイツとは同盟を結んでいない状態。石油プラント関連の資材ということで、輸入も困難なわけですが、ドイツに押されているイギリスがほぼ空母へ改装し終えた給油艦剣崎との現物交換で取引に応じてきます。亜細亜で動乱が起こると戦力が欧州に集中できないという理由と、軽空母を得るメリットを考慮して。その艦隊を某国が潜水艦で攻撃して世界情勢が大きく変わっていくという展開も面白いと感じました。戦闘はほとんどないけど、これは期待できそうなシリーズの予感大です。
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2004年12月30日

興国の盾 通商護衛機動艦隊 南海死闘編

学研/2004年12月30日第1刷/850円/ISBN4-05-402675-3


興国の楯(南海死闘編)


逓信省の通商護衛機動艦隊の活躍でソロモン方面の戦況に目処が立った日本。海軍はポートモレスビー攻略作戦を再興する。オーストラリアは建造の容易な魚雷艇を駆使して日本の補給線を絶とうとするが、陸軍の思惑でニューギニアには陸軍航空部隊が進出し、海軍と共に戦うようになる。

なんといっても連携が悪い陸海軍。共闘できるように通商護衛機動艦隊のほうでいろいろ画策するあたりや、補給量を減らすために前線に配備する漁船の新造計画が魚雷艇駆逐艇を兼ねてしまったりするところがなかなかユニークで面白いですね。視察した辻参謀の独断でキ61が空冷エンジンに変わってしまうあたりは爆笑ものでイイ感じ。ただ、派手な戦闘シーンはないので燃えるものを求める人には物足りないかもしれない。
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2004年11月05日

銀翼艦隊3空中戦艦、出撃!

経済界/2004年11月5日初版発行/857円/ISBN4-7667-3105-0


銀翼艦隊(3)


輸送機隊の活躍で占領に成功したガダルカナル島。これによってソロモンとニューギニアの2方面で航空消耗戦が激しくなり、人材も物資も大きな損失を出していた。そんな中で新兵器として前線へ登場した噴進弾は多大な戦果を上げるのだった。戦闘機よりは陸攻、陸攻よりは開発中の6発機と大西部長の開発要求はめまぐるしく変化する。そしてついに空中戦艦の試作機が完成した。噴進弾100発を搭載する迎撃機が発進する……。

本巻でシリーズ完結。いやぁ、完結と一瞬わかりませんでしたけどね。でも最終巻だったからか、タイトルにふさわしい空中戦艦が登場しましたよ。2機で噴進弾200発搭載とはいろいろな意味で恐ろしい。編隊飛行は無理でしょうねぇ。噴進弾に被弾誘爆をしたら大変なことに……。それ以前に何よりも補給が困難そうですが。

本巻は落としても落としても物量で押し切られ、じわじわと追いつめられていく海軍航空隊の苦戦の日々が綴られています。噴進弾で前線の将兵のみならず読み手も期待させているのですが、やはり日本の国力では厳しい現実が。せめて内輪もめをしていなければねぇ。このシリーズの1巻は読んでいないけど、見かけないから購入断念。
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2004年10月05日

興国の盾 通商護衛機動艦隊

学研/2004年10月5日第1刷/850円/ISBN4-05-402600-1


興国の楯


海軍が海運の護衛に全く興味を持っていないことを危惧した陸軍と逓信省は、海上護衛専門の通商機動部隊を創設した。開戦と同時に護衛作戦に従事していた彼らは、船団旗艦の護衛空母から攻撃隊を出し、マレー沖でプリンス・オブ・ウェールズを攻撃し損害を与えることに成功。しかし、ミッドウェーで海軍が敗北すると、すぐさまガダルカナル島をめぐって激しい戦いが始まる。多くの輸送船を失い、逓信省も通商機動部隊を派遣せざるをえなくなる。

個人的に期待の新シリーズです。海軍に属さない護衛艦隊が主役となっています。まあ、海軍は「指揮下に入れられぬ艦艇など目障りだ」といわんばかりですが、日本海軍ならそんな反応でしょうね。護衛空母「太陽」に搭載されているのが零戦と九七艦攻だけでなく、ソードフィッシュとスツーカまであるのがかき集め部隊らしくていい味を出しています。宇垣仲間というのが笑えました。

作中で少々気になるのが、発見された船団が出せる最大の速度14ノットで退避する部分かな。偽装進路で騙しても1時間あたり26kmほどしか移動できないから、(作中で発見から攻撃までに掛かった時間が書かれていないので推測するしかありませんが)攻撃をかわすのは実際にはかなり困難そうだと思ったり。
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2004年08月20日

銀翼艦隊2 迎撃戦の華

経済界/2004年8月20日初版発行/857円/ISBN4-7667-3104-2


銀翼艦隊(2)


川西航空機の試作した仮称一号局地戦闘機。これの配備と共に、4発の二式輸送機が急ぎ量産されていた。優秀な機材の配備は戦局を有利に導く可能性があるものの、運用のまずさから戦局にはそれほど寄与していなかった。エスプリッツ・サント島への空挺作戦が大失敗し、二式輸送機40機を喪失して危機に陥った海軍。航空本部の大西部長は6発の輸送機に期待をかけるのだった……。

日本海軍が6発の航空機か……と想像を絶する話の展開に驚きです。ガダルカナルの争奪戦も局地戦闘機と二式輸送機のために海戦ではなく航空戦で決着がついているという展開になっていました。とはいえ、致命的ミスで輸送機の大量喪失をした日本海軍の先行きが不安になる感じで以下次巻と。6発の輸送機が完成すれば状況は結構改善されるのかもしれませんけどね。そういう意味でも次巻は非常に気になります。

夏の即売会で原稿を落としたのは連合艦隊では長官お1人です。


1巻を読んでないからよくわからんのですが、どういう世界になっているんでしょ?
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