1995年12月05日

日独連合艦隊進撃ス3

飛天出版/1995年12月5日初版/800円/ISBN4-89440-011-1



小沢中将率いる第一機動艦隊がオーストラリアを攻撃するのにあわせて、独仏伊連合の艦隊はニューカレドニアを攻撃した。しかし、搭載している艦載機は敵陸上機に比べて劣勢で苦戦。支援のラバウル航空隊は悪天候の影響で出撃が遅れていた……。どうにかニューカレドニアを攻略した枢軸軍は、敵が戦力を終結しつつあるノーフォーク島の基地を先制攻撃し、機動部隊の決戦を有利に進めようとする……。



…………。読者をなめた作りは相変わらずで、なんと本巻では1巻で沈んだ赤城がなぜか戦線に復帰します(爆)。資料を調べる工程を省く手抜きに加えて、プロットすら満足にできないのですか、サイテーです。架空戦記が好きな仲間内では評判が最悪なのも、これでは当然か。



彼は万事において"ご都合主義"的な面があった。


上記の一文は著者がマッカーサーに対して記述しているわけですが、この言葉をそのまま著者にお返ししたいですね〜。



まあ、シリーズを通じてつらかったのは、本文が1段組ということ。この高さを本文1段で組まれると、読むときに目が疲れるんですよね。特に縦方向への目の移動は横方向より疲れやすいので。普通は、目が疲れないように1段を20〜25文字ぐらいで組むんだけど。この著者の無意味なスペック羅列(必要最低限にしてよ。知識不足で必要範囲がわからないのかもしれないが…)があるページなんかスカスカ。読者からすれば、かなり割高感を感じますよね。



あ、ちなみに2巻の航空魚雷が酸素魚雷という記述は、そもそも著者は九四式航空魚雷を知らないことも判明。本巻ではしっかり九一式航空魚雷と記述があったから。たぶん読者から指摘されたんでしょう。で、なぜか酸素魚雷にこだわるこの作家。本巻では潜水艦用の九五式を搭載して一式陸攻を出撃させています。ダメすぎ……。航空魚雷は必要な強度が全然違うんだよ、まったく。こんなのを航空機から投下したら着水時に爆発間違いなし。あと、航空魚雷は奇襲になり得ない以上、至近距離から使うものだから、取り扱いが難しくて高価になる酸素魚雷にする必然性はそもそもないというのも理解できていないようですね。



米軍のスキップボミングの手法。急降下から引き起こし時に投下したって……。急降下から反跳爆撃ってどういうタイミングだよ。人間技ではそんな攻撃できネーヨ!

posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 霧島那智

1995年10月30日

波濤の艦隊 続々・帝国海軍大戦略

青樹社/1995年10月30日第1刷発行/790円/ISBN4-7913-0913-8



破竹の勢いの連合艦隊はついにパナマ運河を攻撃すべく出撃した。それを防ごうにも艦艇が壊滅している米軍は、潜水艦による待ち伏せとB-29による高々度からの攻撃で機動部隊を撃破すべく策を練っていた。



潜航中に六十キロ爆弾が命中しても沈まない非常識な潜水艦が登場。さすが霧島那智といったところか(この巻から2人に減っている)。その後も敵潜水艦の雷撃に対して、対潜攻撃に酸素魚雷って……。しかも3隻撃沈だそうな(笑)。攻撃後に急速潜航しない潜水艦なんて間抜けすぎだし、現代の対潜魚雷じゃないんだから仮に浅いところにいたにしても雷撃が当たるのは奇跡に近かろう。正対しているだろうから正面面積は小さいし、深度という要素もあるわけで。それを3隻撃沈とはあまりの無知さに爆笑ものです。まあ、そういう部分を除いても支離滅裂。前巻では零戦はあらゆる高度で優れた戦闘能力を発揮するなどといって高度1万メートルで活躍させておいて(それがそもそもおかしいが)、この巻では9000メートル以上の高々度は苦手でB-29には歯が立たないなどと変わっている。前巻で開発中でもうじき完成らしきことになっていた新型の零戦も登場せずに終了。プロットなしで行き当たりばったりの執筆がバレバレです。

posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 霧島那智

1995年06月05日

日独連合艦隊進撃ス2

飛天出版/1995年6月5日初版/780円/ISBN4-938742-93-4



独仏伊連合の艦隊が合流した日本海軍はポートモレスビーの攻略を目論む。珊瑚海で激突した連合艦隊とアメリカ艦隊は、うかつな行動で位置を晒した角田提督のミスでアメリカ海軍が先手を取る。そして、攻略部隊を護衛していた龍驤と祥鳳を撃沈。翌日の機動部隊同士の激突では、レキシントン、サラトガ、ヨークタウンを攻撃して撃沈した小沢率いる機動部隊は、反撃で蒼龍を沈められてしまった。だが、その激闘の隙に独仏伊の艦隊はポートモレスビーへ接近し、守備隊を追い払うことに成功する。



この2巻目も全然調べていないから目茶苦茶な知識で書かれています。航空魚雷が酸素魚雷だとか(九四式航空魚雷がそうだったが取り扱いが困難で一型二型あわせても150本作ってなかったはずで、普通は九一式航空魚雷系列だろう)、突っ込みどころ満載で笑えるところがいっぱい。突然大艦隊がやってきても、燃料や弾薬はどう補給されるのか説明がないし、妄想戦記ならもっと大胆にやってほしいですよ。

posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 霧島那智

1995年03月30日

日輪の艦隊 続・帝国海軍大戦略

青樹社/1995年3月30日第1刷発行/790円/ISBN4-7913-0877-8



山口多聞提督率いる独立航空艦隊は、ハワイを占領したあと陸軍の救援のためにポートモレスビーを目指す。ジャングル内でのゲリラ戦では埒があかないと判断した独立航空艦隊は、補給基地と化しているオーストラリアを直接攻撃し、降伏させることに成功。だが、パナマ運河を通過した新造艦で編成された太平洋艦隊がハワイを奪還しようとしていた。



独立という言葉を付けておけばなんでもできるというご都合主義の素晴らしさが炸裂しています。占領したばかりの拠点ハワイで新型零戦の開発をしているという恐ろしさ。どこから技術者が? 生産工場は? しかも2000馬力エンジン搭載……。華奢な零戦ではそれは無理だろう。新規設計のほうが最終的に早いって。それ以前にそのエンジンはどこから湧いてきたんだ!? もちろん戦闘のほうもいうまでもなく敵はトコトン無能に描かれていて、直掩を上げていない敵機動部隊ってどうなのって感じ。なお、この巻から下品で作家の品性をも疑うような表現が大量に用いられるようになった。

posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 霧島那智

1995年01月05日

日独連合艦隊進撃ス1

飛天出版/1995年1月5日初版/780円/ISBN4-938742-74-8



フランス降伏後のイギリスH部隊によるフランス艦艇攻撃。これを阻止するべくドイツ海空軍が介入。枢軸側にフランス海軍を引き込むことに成功した。日本も参戦し真珠湾攻撃を行なうが、真珠湾攻撃直後にエンタープライズとホーネット(えっ!? ノーフォークで訓練中なんじゃ?)の攻撃で旗艦赤城を喪失。山口多聞の指揮で2隻を撃沈。太平洋での激闘が始まる。ヒトラーはフランス艦隊を太平洋へ派遣することを決意する……。



もうねぇ、この作家はこれまでの作品でストーリーの組み立てとかが補給無視とかで「戦というものをわかってない」からダメダメなのがわかっているんだけど、それはそれ。架空戦記は(適切な表現ではないが)娯楽と割り切ればそういうのを気にしない人もいるわけですからね。でも、調べればすぐにわかることすら調べもしないで間違っていることを平然と書くという、テキトーで手抜きっぽい作品作りをするという読者を少々バカにしているか挑発しているとしか思えない作り。あきれるほどの無知さをさらしているのが逆に「プッ…」と面白くて買っちゃうわけだけど。そのムボーさが飽和したこのジャンルの読者に対するアピールというか計算なのかどうかは知らないが、少なくとも編集者の立場からいわせてもらうと、自分が担当なら絶対リテイクです。



シリーズ1巻目の最初のページで呆然としそうな程のショックな記述があってビビります。



ヒトラーは煙草を喫かしながら、神経質そうに〜(以下略)


あのーー? ヒトラーは嫌煙家だったはずですが? ちょっと知っている人が、購入前に導入部をチェック……と読んだ人は、これで唖然として購入を取りやめたんじゃないかと思います。もうこの時点でまるまる1冊著者の「妄想暴走戦記」が確定なわけで。金を払ってまでどうでもいい妄想につき合うような奇特な人は少数派でしょう。競合する書籍いっぱい出ている訳だし。それと、主砲が故障したから「ポムポム砲は敵艦隊に向けるしかない」とか、絶対にあり得ない爆笑ものの展開もあったりします。すごいなぁ、なんでこんな素人丸出しの作家に執筆依頼したんだろう。依頼される側も、普通知らないジャンルに参入するなら調べまくるんですけどね。調べもしてないわけで向上心すらないんじゃ…。しかも編集者も不勉強だったと。う〜む。あぁ、だからこの出版社はつぶれたのか(確か2000年中頃に)。

posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 霧島那智

1994年08月10日

帝国海軍大戦略

青樹社/1994年8月10日第1刷発行/790円/ISBN4-7913-0838-7



開戦と同時に、真珠湾、ミッドウェー、香港、シンガポールを撃滅しようと画策する日本軍。だが、ミッドウェーでは攻略を担当する第四艦隊に派遣された第二航空戦隊が指揮のまずさから大苦戦を強いられる。濃霧による電波発信や敵航空機攻撃圏内での雷爆装転換など、井上中将のたび重なる失態でヨークタウンの先制攻撃を受けたのだった。その戦訓を活かし、独立航空艦隊を創設してより実戦的な体制へ移行した。そして占領したハワイを拠点に西海岸への攻撃が行なわれる。



不勉強で調べる気もないこの作家は、開戦直後のミッドウェー島攻略戦に参加する鹿島をこう記述している。



旗艦の鹿島などは、骨董品と言ってもいいほどの旧艦なのである。


ここでいっている鹿島は練習巡洋艦鹿島の間違いなのかと思いきや、搭載砲を見ると1923年除籍の戦艦鹿島のほうなのですよ。確かに骨董品だがそれ以前に……。しかも対空射撃にその鹿島の主砲を使おうとする。無理だってば(笑)。敵発見の記述もないのに出撃して撃破してきたり、無茶苦茶。



ずさんさは同じ日に真珠湾を攻撃する第一航空艦隊のほうにもあって、第一航空戦隊と第五航空戦隊しかいないと記述しているのに、ミッドウェーに派遣されている第二航空戦隊もいることになっている空母6隻の記述があったりする(笑)。暗号解読で湾外へ出て迎撃してきている米艦隊へ6隻ぶんの航空兵力を叩きつけます。ぉぃぉぃ。しかも輪形陣の中心にはレキシントンなど3隻の空母が……。



作家集団の霧島那智がまだ4人で執筆していた頃の作品。性能や編成の一覧で無駄にページを稼いでいるのはこの頃から相変わらずで、新参架空戦記作家が必要以上に編成表や性能表を書いてページを稼ぐようになった悪しき前例といえよう。

posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 霧島那智