1993年12月05日

帝国空軍の飛跡 大型爆撃機出撃せよ!

KKベストセラーズ/1993年12月5日初版発行/757円/ISBN4-584-00882-5



もし大日本帝国に空軍が存在していたら? それをテーマとしているシミュレーション戦記。深山による重慶爆撃、空軍の鍾馗によるシャングリラ発のB-25迎撃、深山によるキスカからのシアトル爆撃、空軍によるガダルカナル島攻撃、インパール作戦を支援する空軍と5章からなっています。前の3章が青山智樹氏、残りが若桜木虔氏(霧島那智)で、もうその時点で一抹の不安を感じる人もいることでしょうね。特に後者。



本書の解説は誰が書いたのかわかりませんが、風船爆弾による森林火災の統計資料が……、えぇ、風船爆弾ですよ。それが1946年は例年の3倍で効果が……などと解説されていたり(1946年は終戦後だっつーの(笑)。参考文献が間違っていたのかもしれないが、普通は引用以前に気付かねばおかしい。って、巻末に参考文献が掲載されていない時点で妄想か、でたらめな情報を載せている参考文献を違法となる無断利用という可能性もある)、巻頭の登場機紹介の写真のキャプションで、4発の「B-24の写真」に双発である「B-25」などと書いているトンチンカンぶりといい、目眩がくる一冊です。話的には前の3話はそれなりなんですけどね。解説のでたらめぶりがすべてを台無しにしています。



空軍が存在しているというのと、その空軍は実在の陸海軍機を採用しているという感じで妄想的な新型機は登場させていないというのは、(架空戦記ではなく)シミュレーション戦記と自称している中では努力したほうかもしれない。とはいえ事実誤認の多さが致命的ですが。それと第4章のガダルカナルは状況描写が支離滅裂でかなりひどい。ガダルカナル基地が稼働してB-24によるラバウルへの攻撃が始まったから反撃するといっているのに攻撃している対象は荷揚げ中の輸送船団。船団攻撃も必要だが、すでに基地が稼働しているというこの状況であればそれよりも優先すべき目標は飛行場と物資集積場じゃないのか?

posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 若桜木虔