2004年09月23日

スカーレット・ストーム 第二海軍物語

銀河出版/2004年9月23日初版/857円/ISBN4-87777-060-7


スカーレット・ストーム


明治41年に起こったツングースの大爆発。その影響か、世界的に男子出生率が大幅に低下し、20%近辺となってしまう。世界的な危機であるとともに、海軍の組織としても女子士官を受け入れないといけない状況になっていた……。

男女比の関係で、すでに女性中心の第二海軍のほうが戦力的には主力になりつつある状態で開戦と、これまでの架空戦記にない展開に驚きです。男女平等で同率程度での軍組織を扱ったものはありましたが。それにしても、第二海軍はないよなぁ……。某作家の第二赤城を思い出して激しく悪印象。かといって設定的に挺身隊ともいえないだろうし、難しいところですね。

内容的には、機動部隊の山口多聞長官にメイド姿の女性士官がお茶を持ってきたり、決戦前に空母の飛行甲板で巫女が戦勝祈願したりとすごい展開があるのが驚きといいますか。萌え全盛のこの時代ですからねぇ、いつかは萌えを前面に押し立てた架空戦記が来る……んじゃないかとは思っていましたが、まさかここまでやるとは……。表紙イラストでビビったが、萌え系だとしても、まず入り口は戦傷の関係から看護婦だと思っていたのですがね。そういう関連性のありそうなほうをすっとばしていくとは……。あまり必然性のない登場はいかがなものかと思うのですが。萌えのうち衣装系で人気の定番だからメイドと巫女をとりあえず出しておけばいいじゃん、という安っぽさを感じた次第。

必然性なき登場で正直言って申し訳ないけど、かなり引いてしまったね。まだ、「軍艦越後の生涯」シリーズよりはマシなだけいいか。あれは一応最終巻まで買ったけど読んでいて引きまくりで、その後のあの著者の新作は敬遠気味というかマイナスの先入観を持つようになっているもんなぁ。これはそこまではいかない感じ(越後で耐性が少々ついたのかもしれないけど)。

架空戦記と萌えは読者的に一致するんですかねぇ。架空戦記に必要なのは萌えじゃなく燃えだと思う。出来的には無意味に「萌え」を詰め込む必要を感じない(萌え設定を無視して読んでも並以上だとは思う)んですけど。無理矢理萌えを入れようとしたばかりに自分的にはかなり評価ダウンでしたといっておきますよ。搭乗員の体重が軽くなるのが見込まれるぶん、機体設計で多少防弾にまわすとか、設定を活かした部分というのがないんだもん。戦記ものの良作にはほど遠いですね。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中岡潤一郎
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