2008年03月25日

飛翔の海戦3

実業之日本社/2008年3月25日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60489-3




状況的には、ミッドウェー駐留の帝國陸海軍航空隊と、ハワイ方面の米陸海軍の航空戦が行なわれ、補給で苦労しながらも帝國陸海軍航空隊が善戦しているというところから本書は始まる。
パナマ運河が破壊されて使えず、やむなくドレーク海峡を通過して大西洋から太平洋に戦力を移していく米海軍と、それを迎え撃つ帝國海軍潜水艦というのが本書のメインかな。

2巻でパナマ運河を破壊することに成功した帝國海軍が、はるばる南半球へと潜水戦隊を送り込んで迎撃している。
第一撃は潜水艦発射の熱源探知誘導の噴進弾。
動揺している艦隊への第二撃は酸素魚雷と音響追尾魚雷による雷撃戦となる。
派遣距離が距離だけに参加艦艇数は少なく、大型艦艇の撃沈には至らないのは仕方のないところだろう。
熱源探知誘導が実用化されるところは開発ペース早いな〜とか思わされるけど、夢物語というものでもないしアリかと。

かなりのページ数を割いている割には大型艦艇の撃破がならず、時間を稼いだだけとなったマゼラン海戦後は、米海軍は防備の硬いミッドウェーではなくウェーキへと攻め込んでくる。
陸軍航空隊の飛燕Ⅱ型が奮戦して新鋭機F6Fを撃破するなどのシーンが描かれていて太平洋の戦いがそこそこ楽しめると思う。

とはいっても、中盤過ぎまでの潜水艦による襲撃は架空戦記に派手さを求める人にとってかなり物足りなさを感じる展開だろうし、そこで満足できない人は島嶼での航空迎撃戦も微妙なんだろうね。
地味な面での戦いの描写も結構好きな自分は「こんなところから来たか」と思うだけだけどね。
あと、うんちくを披露するのは適度ならばよいと思うのだが、この著者の場合はそれが多すぎて物語のほうがそのぶん薄くなる傾向があるのは今回も同じだったかな。
著者の2次大戦の知識はまあ十分ある感じでよいのだけれど、いつも物語の(ストーリー配分などの)構成がどこかずれているというのは担当編集がアドバイスすべきだと思うのだが……。
担当編集者は架空戦記に興味がないのかなぁ〜。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高貫布士

2008年03月11日

異 帝国太平洋戦争 実験艦隊、北洋出撃!

学研/2008年3月11日第1刷発行/900円/ISBN978-4-05-403699-4




昭和17年にタイムスリップしてしまった5人の知識で驚異的に技術力が向上していった日本。
まだその知識から理想的な技術をすべて実現するには至っていなかったが、それでも20年もの技術的革新を遂げた分野もあった。
新型機などもすでに完成図面が提供されて前倒しで量産体制に入っているというのがシリーズ第2巻の状況だ。

すぐにでも現場(最前線)で役立つものを優先的に開発しているため、比較的地味な兵器から前線へ登場してきているが、技術的に数段飛び越えるかのような驚異的な技術革新もあるため、陸海空すべてにおいて圧倒し始めているところが本書の見どころかと。
艦隊の防空力の驚異的な向上は前巻から予想していた人も多いと思うが、非人道的なクラスター爆弾をより凶悪化したようなものを実戦投入していっているなど、予想を越える展開が待ち受けているので読んでいて驚かされるんじゃないかな。

ただ、まだ「とりあえず手っ取り早く改善できるところをいじってみた」という艦艇改装や従来機改良などで本巻の話が進んでいますからねぇ。
次巻以降はもっと想像できないような展開が待ち受けているのかもしれません。
個人的に期待度は高いけど、この著者はシリーズの発行間隔が長すぎですよね。
次は年末か来年か……と思うと完結してから集めたほうがよさそうな気もしてしまったりして。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 羅門祐人