2008年09月01日

超機動空母「潜龍」1第零航空戦隊出撃せよ!

コスミック出版/2008年9月1日初版発行/895円/ISBN978-4-7747-1139-3




極秘に建造していた潜水空母「潜龍」が活躍する新シリーズ。
大和級戦艦と翔鶴級空母を建造せずに、潜水艦1隻を建造したという驚愕の設定だ。
すなわち、搭載機288機、全長600m幅70mの超大型潜水空母が主役となるぶっとびの設定が魅力の作品といえるかな。
潜水艦であるため機動力がないわけで、タイトルの「超機動空母」というのには大いに疑問を感じてしまう。

訓練や作品舞台の説明で前半が終わってしまっているので、一刻も早くどのような戦い方をするのか知りたい人には不満を感じるところかもしれない。
初陣はハワイ奇襲とお約束のパターンで始まっている。
通常の空母機動部隊ならば艦隊の秘匿性の問題で開戦直後に攻撃せざるを得ないのはわかるんだけれど。
潜水可能な潜龍ならば状況を探りながら開戦数日後の相手が警戒を解いたあたりでの奇襲や、空母が停泊中の時を狙っての攻撃だって可能だろうに、著者がそのような柔軟性をもっていないようだ。
いつものようにお約束で、開戦時間厳守で外務省のアホのせいで無用な敵愾心を生む展開となっていた。

奇襲が成功したあとは訓練に明け暮れてミッドウェー作戦となる。
翔鶴級が存在しない世界なので、MO作戦は蒼龍と飛龍で行ない、被害のためにミッドウェーへは赤城と加賀しか参加しないということになってしまう。

うーん、隠密性と打撃力を考えたら、ハワイ作戦が終わったら、正体がばれて戦力価値が落ちる前にパナマ運河攻撃で経済的・戦力配置の柔軟性に打撃を与えるとか、西海岸の工業地帯を空襲するのが自然な感じがするんだが……。
そういう性格の艦が主役なんだし。

でも、なぜか史実に近い流れにしたがることが多い著者の癖が今回も出てしまっている感じですね。
赤城と加賀はミッドウェー海戦で喪失したみたいだし、まともな空母戦力が少ない設定のこの作品はどこへ向かうのだろうか?
主役となる艦の性格的に活躍の場がかなり限られそうだから、妄想爆発展開の駄作となるか、うまく設定を活かせずに迷走しそうな予感がしてしまう。
そんなわけなので、2巻目でどういう展開を迎えるのか非常に気になる感じかな。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 大村芳弘

2008年08月05日

八六艦隊決戦 衝突!

経済界/2008年8月5日初版発行/895円/ISBN978-4-7667-3137-8



ワシントン軍縮会議の最中に外交暗号が解読されていることに気付き、暗号を変更して交渉に臨んだ世界が舞台。
暗号変更の際のでたらめな通信が米英を困惑させて譲歩を導き出す。
これにより、陸奥の完成が認められただけでなく、加賀、土佐、天城、赤城も保有が認められることとなる。
その代わりに航続距離を3000海里にすることという制約が科せられた。
4隻の戦艦の新造で国家予算が圧迫され、補助艦艇が不足する事態となり、それを補うべく4発の大型攻撃機の開発が進む。
ウラジオストックを実効支配する話や補助艦艇量産への布石などの状況説明で、本書の2/3ぐらいが使われている。

見せ場は昭和15年6月に発生する戦闘だろうか。
大演習を行なおうとする日本海軍と、それを阻止しようとする米艦隊の間で紛争が発生する。
伊二一潜が威嚇攻撃を受け連絡を絶ち、大攻部隊は迎撃に上がってきた戦闘機の挑発を受けるが、事故的に正面衝突が起こりお互いに1機落ちてから大攻と敵戦闘機の間で交戦が始まる。
お互い5機ずつ落とされたものの事故として対応しようとしていた両軍の司令部だったが、私怨で戦闘を開始する馬鹿者のせいで大変な事態を迎えることになる。
気になるところで続きは次巻へ……となっていて微妙。
これは2巻目を見てからの購入でもよかったかもしれない。
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2008年06月10日

新東亜大戦 昭和20年日米開戦

学研/2008年6月10日第1刷発行/900円/ISBN978-4-05-403788-5




軍令部総長の永野修身が急死し、後任に山本五十六が抜擢された世界の話となっている。
昭和16年10月の御聖断でハルノートを受け入れて交渉を開始すると共にその内容を公表し、外交で蒋介石陣営と休戦したり大英帝国とうまく交渉していたりする展開。
それでも時間を稼ぐことしかできず、昭和20年末に今度は回避の出来ない状況になり宣戦布告されて戦いが始まるという舞台設定だ。
そこに至るまでの状況描写が案外長くて、全体の2/3ほどを占めている。
台湾空襲から始まる戦いは、P38/P47に疾風/紫電が襲いかかり、B-29には鍾馗/雷電/震電が襲いかかるというもの。
震電が実戦投入されて活躍しているのがこの作品のポイントですね。
南方の資源地帯からの輸送船団を巡って海戦が発生しそうな演出で盛り上がって本書はストーリーが終わっている。
気になったら次巻も買えということのようですね。
この著者は状況描写が必要以上に長すぎるケースが多いから、次巻にはやや躊躇いを感じるけど覚えているうちに発売されたら買ってしまいそうだ。
記憶が残っていて気になっている時期に見かけたら、誘惑に負けちゃいそうだもんね。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高貫布士

2008年06月05日

列島大戦 NEOジャパン2 新連合艦隊出撃!

経済界/2008年6月5日初版発行/895円/ISBN978-4-7667-3135-4




ミッドウェイ海戦の直後に21世紀の日本列島がまるごと時空転移してしまった世界を描く架空戦記の2巻目。
絶対防衛ラインを宣言し、その中へ侵入してきた敵を排除するマリアナ沖の戦いが描かれている。
舞台となる世界の説明がほとんどだった1巻目と異なり、本巻は後半で派手に戦いを行なってくれているのがいい感じだ。
八万六〇〇〇トンの自動車運搬船などを空母に改装しているため、恐ろしいまでの空母戦力を揃えているのが反則的かもしれない。
しかも、空母を守る第一護衛艦隊の司令官は南雲忠一だったのが少々意外だったかな。

いうまでもなく艦隊は最新技術で鉄壁の防御体制なのでとんでもない戦いになる。
潜水艦はアスロックで返り討ちだし、防空はミサイルに八〇ミリ速射砲で、討ちもらしたらさらに機関砲で万全という無敵状態。
170機の攻撃隊を全機叩き落とすまでに3分26秒という衝撃的な展開を見せてくれる。
さらに深度四〇〇メートルの潜水艦からの対潜攻撃能力を見せてしまっているが、これまた全滅するのてその情報が相手側に残らないから戦訓にならない。
反撃も500機という大規模で行なって圧倒的だ。

GPS代替の人工衛星を打ち上げているし、通信衛星や偵察衛星も打ち上げるようだし、圧倒的な技術格差がどのようにこの先に影響してくるのか気になる展開といえる。
満州帝国とソ連が全面戦争に突入しているだけに、次巻がかなり気になるかな。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 羅門祐人

2008年04月25日

双胴空母「瑞翔」出撃す!3

実業之日本社/2008年4月25日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60490-9



シリーズの最終巻となる本書は、ホーランジアとマリアナでの戦いが描かれている。
敵の反攻ルートを絞り込むためにニューギニアか中部太平洋のどちらかを完膚無きまで叩きのめそうという戦略が機動部隊から提唱される。
罠をしかけてホーランジアに誘引し、敵を殲滅するというのが前半の山場だろう。
瑞翔とそれを護衛する金剛級4隻と重巡部隊だけで出撃し、24ノットで進撃していくのは驚き。
艦載機でサウスダコタとワシントンを大破させ、戦艦と重巡が突入して輸送船団を片っ端から撃滅する。

その後、後半はいよいよ最終決戦へむけての準備が進められる話が綴られる。
マリアナの戦いは新鋭空母大鳳が加わって、10隻の空母で迎え撃つ展開だ。
F6Fに対抗するために用意した零戦は350機とかなりの数。
どういった戦いが行なわれるのかと思えば、距離を取って守りに徹し、F6Fの燃料切れを狙っていくというものだった。
戦闘機の数を大幅に減らしたらもう勝負は一方的ですな。
艦載機で攻撃して水上部隊の突入という流れで、シリーズの最後まで容赦なく攻撃していた。
戦闘シーンの描写がもう少しほしい気はするが、かなり楽しめる作品だったかな。
次回作にも期待。
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2008年03月25日

飛翔の海戦3

実業之日本社/2008年3月25日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60489-3




状況的には、ミッドウェー駐留の帝國陸海軍航空隊と、ハワイ方面の米陸海軍の航空戦が行なわれ、補給で苦労しながらも帝國陸海軍航空隊が善戦しているというところから本書は始まる。
パナマ運河が破壊されて使えず、やむなくドレーク海峡を通過して大西洋から太平洋に戦力を移していく米海軍と、それを迎え撃つ帝國海軍潜水艦というのが本書のメインかな。

2巻でパナマ運河を破壊することに成功した帝國海軍が、はるばる南半球へと潜水戦隊を送り込んで迎撃している。
第一撃は潜水艦発射の熱源探知誘導の噴進弾。
動揺している艦隊への第二撃は酸素魚雷と音響追尾魚雷による雷撃戦となる。
派遣距離が距離だけに参加艦艇数は少なく、大型艦艇の撃沈には至らないのは仕方のないところだろう。
熱源探知誘導が実用化されるところは開発ペース早いな〜とか思わされるけど、夢物語というものでもないしアリかと。

かなりのページ数を割いている割には大型艦艇の撃破がならず、時間を稼いだだけとなったマゼラン海戦後は、米海軍は防備の硬いミッドウェーではなくウェーキへと攻め込んでくる。
陸軍航空隊の飛燕Ⅱ型が奮戦して新鋭機F6Fを撃破するなどのシーンが描かれていて太平洋の戦いがそこそこ楽しめると思う。

とはいっても、中盤過ぎまでの潜水艦による襲撃は架空戦記に派手さを求める人にとってかなり物足りなさを感じる展開だろうし、そこで満足できない人は島嶼での航空迎撃戦も微妙なんだろうね。
地味な面での戦いの描写も結構好きな自分は「こんなところから来たか」と思うだけだけどね。
あと、うんちくを披露するのは適度ならばよいと思うのだが、この著者の場合はそれが多すぎて物語のほうがそのぶん薄くなる傾向があるのは今回も同じだったかな。
著者の2次大戦の知識はまあ十分ある感じでよいのだけれど、いつも物語の(ストーリー配分などの)構成がどこかずれているというのは担当編集がアドバイスすべきだと思うのだが……。
担当編集者は架空戦記に興味がないのかなぁ〜。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 高貫布士

2008年03月11日

異 帝国太平洋戦争 実験艦隊、北洋出撃!

学研/2008年3月11日第1刷発行/900円/ISBN978-4-05-403699-4




昭和17年にタイムスリップしてしまった5人の知識で驚異的に技術力が向上していった日本。
まだその知識から理想的な技術をすべて実現するには至っていなかったが、それでも20年もの技術的革新を遂げた分野もあった。
新型機などもすでに完成図面が提供されて前倒しで量産体制に入っているというのがシリーズ第2巻の状況だ。

すぐにでも現場(最前線)で役立つものを優先的に開発しているため、比較的地味な兵器から前線へ登場してきているが、技術的に数段飛び越えるかのような驚異的な技術革新もあるため、陸海空すべてにおいて圧倒し始めているところが本書の見どころかと。
艦隊の防空力の驚異的な向上は前巻から予想していた人も多いと思うが、非人道的なクラスター爆弾をより凶悪化したようなものを実戦投入していっているなど、予想を越える展開が待ち受けているので読んでいて驚かされるんじゃないかな。

ただ、まだ「とりあえず手っ取り早く改善できるところをいじってみた」という艦艇改装や従来機改良などで本巻の話が進んでいますからねぇ。
次巻以降はもっと想像できないような展開が待ち受けているのかもしれません。
個人的に期待度は高いけど、この著者はシリーズの発行間隔が長すぎですよね。
次は年末か来年か……と思うと完結してから集めたほうがよさそうな気もしてしまったりして。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 羅門祐人

2007年12月30日

灼熱の巨竜 最強戦艦決戦 ラバウル強襲1943

実業之日本社/2007年12月30日初版発行/857円/ISBN978-4-408-60475-6




ラバウルをめぐる激闘を描いた架空戦記。
戦艦大和を旗艦とする第二艦隊がラバウルに入港したところから激闘が始まっている。
本書はタイトルに反して、大和と武蔵が狭いラバウル軍港内で米機動部隊艦載機の空襲を受けて大損害を出してしまう展開となっている。
総ページの6割ほどまでは第二艦隊の苦闘と反撃に出た基地航空隊と陸上基地へ進出した第三艦隊の艦載機の戦いが綴られていた。

気になるタイトルの戦艦決戦部分は「それはないだろう?」という感じで、残りの4割の部分に戦艦を支援する補助艦艇同士の戦いなど込みで書かれている。
無傷のサウスダコタ級とノースカロライナ級の計6隻を迎え撃つのは、大損害を受けた大和と無傷の長門を主力とする艦隊。
武蔵は空襲の被害も回復していなくてラストでちょっと出てきて戦うのみ。
「最強戦艦決戦」なんてどこにもない。
空襲ですでに満身創痍となっている大和とノースカロライナ級4隻の戦いや、大和が撃破されたあとに出てくる武蔵が数回射撃するだけではどう考えてもタイトルに問題ありだ。
タイトルに惹かれて購入した読者の期待を裏切ることは間違いなし。
作家がつけたタイトルか編集サイドがつけたタイトルかはわからないが、いずれにしろ適切じゃないタイトルをつけている騙し的売り方はいただけないと思う。
架空戦記はただでさえ他ジャンルと比べて作品の平均的な出来が悪いジャンルなのに、だめ押しの追い打ちを掛けたら購入する読者が減っていくばかりとなるよ……。
ページ数は多くていいんだけど、タイトル騙し系じゃ意味ないよなぁ〜。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 内田弘樹

2007年12月28日

列島大戦 NEOジャパン 運命の転換

経済界/2007年12月28日初版発行/895円/ISBN978-4-7667-3130-9




ミッドウェイ海戦が終わった直後へと平成日本が時空転移してしまったというのが本書から始まるシリーズの特徴。
資源さえあれば圧倒的な生産力を持ち、突出した技術力を持った日本が太平洋戦争へと巻き込まれていくというもの。
優柔不断な首相(現実でも情けなさ過ぎる対応を繰り返しているF総理がベース)のせいでB-17の空襲で急襲で大きな犠牲を出してしまい、挙国一致内閣で立ち向かうことになるまでの過程とかが語られる。
帝國海軍は平成日本に帰属することになったようだけど、関東軍は離脱して満州帝國に所属して別の道を歩むことになっているあたりが次巻以降の見どころになりそうな感じかな。
兵器のほうは平成時代の技術でチューンされていくようで、零戦が改良される記述もあった。
ただ、戦記物で重要な戦いはほとんどなく、シリーズ1巻目ということで世界観などの設定面を主に描いている1冊だ。

かなり長い話になるようだけど、どういうペースで続刊が出てくるのだろうか?
ペースが遅いのに別シリーズを次々出される今までのパターンが今回も繰り返されると、「どこまで買ってたっけ?」となってわからなくなったところでまた自分は「もういいや」と途中で購入をやめてしまいそうだ(苦笑)。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 羅門祐人

2007年12月10日

興国の楯 通商護衛機動艦隊 奇襲!ロイヤルサブリン追撃指令

学研/2007年12月10日第1刷/900円/ISBN978-4-05-403624-6




戦艦1、巡洋艦1、駆逐艦2の小規模な英海軍の艦隊を追跡する通商さん。
ある作戦の元に、潜水船二一号は護衛の駆逐艦を撃沈し、追跡を続けていた。
そこに敵は援軍としてコルベットを送り込んでくるが、コルベットは優秀で僚船である潜水船二二号を撃沈されてしまう。
商船改装空母との合流を目指す敵艦隊の先手を取った通商さんは、合流前に敵空母バリスタに対して空母平家から攻撃隊を送り込み撃沈。
合流を阻止するのだった。
死闘の果てにコルベットを撃沈して巡洋艦を沈めていく通商さんの目的は……戦艦の鹵獲?

というわけで、本巻は通商さんが戦艦ロイヤルサブリンを降伏させて手に入れるべく行なう一大作戦が語られている。
コンクリートで船体が作られた輸送船が登場しているのも面白い。
爆弾の至近弾で沈みそうになるさまは思わず爆笑しそうになってしまった。
しかし、この作戦のためだけに連結すると浮きドックになるコンクリート船を用意したなんてことはあり得ないから、次巻以降でどういう活躍をするのか気になるところだ。
戦艦をゲットしているのに本巻で終わりということはないだろうから通商さんのさらなる活躍を期待したい。
posted by 伊織舞也 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 林譲治